広島 初出場CSでマエケン歴史的1勝「久しぶりに燃えた」

[ 2013年10月13日 06:00 ]

<神・広>前田健は阪神打線を7回1失点に抑える

セ・リーグCSファーストS第1戦 広島8-1阪神

(10月12日 甲子園)
 広島がマエケンの独り舞台でクライマックスシリーズ第1戦に快勝。「緊張感やプレッシャーの中で役目を果たせてホッとした」とエースは充実の笑みを浮かべた。

 必勝の期待を背に、広島の前田健は初回から飛ばした。先頭・西岡への初球、151キロの直球が外角低めに決まった瞬間「“いける”と思った」という。予感は的中する。直後、1死一塁で鳥谷、マートンの中軸を投飛、遊ゴロとねじ伏せた。7回1死一、三塁では代打・桧山を遊飛に仕留め、続く日高を自らの好守で投ゴロと最大のピンチでも点を与えなかった。7回まで5安打で最少失点に切り抜けた。

 試合前のブルペン。「調子は良くなかった」と、不安は拭い去れなかった。9月21日に「へんとう炎」を患い、38度を超す高熱が出た。これで筋肉がゆるんだ。同26日の中日戦(ナゴヤドーム)で打球を右膝下に受けた。さらにCSに中6日で向かうための最終調整の場だった今月5日のヤクルト戦(マツダ)が台風23号の影響で中止。スライド先発となった翌6日の同戦では、中日戦で打球を受けた影響からか、下半身がうまく使えないフォームで制球も切れも欠いた。2試合連続の敗戦投手でレギュラーシーズンを終了。この日も登板途中で右手中指に血マメができるアクシデントがあったが、「短期決戦で久しぶりに燃えた。いい緊張感で気持ちが入った」とエースの矜持(きょうじ)で乗り切った。

 これで阪神戦は今季、計52回を投げてわずか3失点、防御率0・52。得意の虎相手にあらためて底力を見せつけ、7月7日(マツダ)に投げ負けていたルーキー藤浪に貫禄を示した。投げるだけではない。打撃でも堂々の2安打。中でも5回は先頭打者で右前打を放ち、キラの勝ち越し3ランを呼び込んだ。「打席も大事。特に回の先頭はね」と振り返った。

 ポストシーズンに入って最大のモチベーションとなっているのが、同じ88年生まれの楽天・田中の存在。今夏の球宴で初めて投げ合ったが、公式戦では交流戦も含めプロ7年目で直接対決はない。「日本シリーズで投げ合えたら最高ですね」と最高峰の舞台での顔合わせを熱望している。

 「いい勝ち方ができた。チームも一つになれています」。CS導入から7年目での初出場で歴史的1勝。借金3での史上最低勝率・489でポストシーズンに進出した広島が、10年のロッテを超える「史上最大の下克上」を目指す。

続きを表示

2013年10月13日のニュース