ヤンキース マー君本気獲り!過去最高58億円超用意

[ 2013年10月12日 06:00 ]

ヤンキースがポスティングでの獲得を狙う楽天・田中

 ヤンキースが、今オフにポスティング・システム(入札制度)により大リーグ移籍の可能性がある楽天・田中将大投手(24)の獲得に向け、本格調査を進めていることが分かった。地元紙ニューヨーク・ポストが10日(日本時間11日)付で報じた。同紙は、入札額が過去最高の6000万ドル(約58億8000万円)に達すると予想。メジャー随一の歴史と資金力を誇るヤ軍が、24勝無敗の右腕を本気で獲りにいく。

 5年ぶりにプレーオフ進出を逃したヤンキースが、巻き返しの目玉として田中に白羽の矢を立てた。ニューヨーク・ポスト紙の名物記者ジョージ・キング氏が10日付の電子版で、関係者の情報を基に「ヤ軍が田中の入札に本格参戦する。今季スカウトを驚かせ続けた日本人投手が、ローテーションの大きな穴を埋める」と報じた。

 同紙は関係者の「ヤンキースは彼を何度も見ている」との談話を掲載。レッドソックス、レンジャーズ、ドジャースも狙っていると伝えた。入札額の攻防ラインは6000万ドルと予想。11年オフのダルビッシュ(日本ハム→レンジャーズ)の5170万3411ドルを上回る過去最高額だ。さらに、年俸総額も松坂の6年5200万ドルを超え、ダルビッシュの6年6060万ドルを年平均で上回る5年6000万ドルと予想している。

 ヤ軍は今季、ビリー・エプラーGM補佐を筆頭に多くのスカウトが田中を視察するために来日。マリナーズの元監督で、現スカウトのドン・ワカマツ氏も本紙の取材に「10日間ほど日本に行き、2試合見たよ」と明かした。別のヤ軍スカウトも「スライダーもスプリットも素晴らしい。メジャーでもたくさん勝てる」と太鼓判を押した。

 06年オフに阪神から井川を獲得も、5年間で2勝4敗に終わったこともあり、ヤ軍はこれまで入札制度による補強に消極的だった。しかし10年連続で「ぜいたく税」を払っているヤ軍は、14年オフに向けて選手の総年俸額を削減する方針。入札額は「ぜいたく税」の対象にならないため、方針を転換したもようだ。

 さらに先発投手の補強は今オフ最大の課題。エース左腕サバシアは不振で41歳ペティットは引退。黒田と昨年16勝のヒューズの両右腕は今オフFAで去就は微妙。黒田が残留しても来季39歳となり若返りのためにも来季25歳の田中は魅力だ。

 入札制度は現在、日米間で改定作業中ながら、田中が先発予定の17日のCSファイナルステージ初戦には、10球団以上のスカウトが観戦に訪れる見込み。そんな大争奪戦が展開される中、資金力豊富なヤ軍は一歩も引かない様相だ。

 ▼ぜいたく税(課徴金)年俸総額が一定の上限を超えた球団がペナルティーとして支払う。03年に導入された。ヤ軍は唯一、昨年まで10年連続で支払っており、額は超過回数が多いほど上がる。大リーグ機構に納められた後、年俸総額の低い球団に分配される。上限は毎年変動し、ヤ軍は14年オフまでに同年の上限である1億8900万ドル(約185億2200万円)まで年俸総額を削減する方針を打ち出している。

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2013年10月12日のニュース