阪神・鳥谷 3年ぶり2桁弾 2位確定「甲子園でCSができる」

[ 2013年10月4日 06:00 ]

<D・神>3回無死一塁、鳥谷は右越え2ランを放つ

セ・リーグ 阪神7-3DeNA

(10月3日 横浜)
 底力を示す一撃だった。1点を追った3回。無死一塁からの第2打席だ。先発の須田がカウント2ボール1ストライクから投じた4球目。甘いカットボールを阪神・鳥谷は逃さなかった。秋の夜風にも乗った大飛球は右翼スタンド最前列に飛び込んだ。

 「ノーアウトで、ランナーも一塁にいたので、つないで行こうという気持ちでいた。打った瞬間は、どうかなと思ったけど、入ってくれて、いい結果になって良かった」

 つなぐ意識の打撃が最高の形となって表れた。

 1日の中日戦(甲子園)以来の10号2ラン。10年以来、3年ぶり通算6度目の2桁本塁打にも到達した。

 初回に中前打、6回にも中前打を放ち、こちらは9月10日の中日戦(甲子園)以来、19試合ぶり、今季10度目の猛打賞だ。広島が負ければ、勝敗に関係なく2位が確定したが、チームキャプテンがみずからのバットで導いた。

 「きょうの試合をしっかりやろうと思っていた。なかなか2位が決められなかった。その中で甲子園でCSができるということは良かった」

 順位が確定したことには安堵(あんど)感を示した。甲子園でCSファーストステージを戦える。ここまでは苦しい道のりだった。しかし和田阪神のキャプテンは一度も感情を表に出すことなく戦っていた。

 「(3位転落の不安は)なかった。(浮足立つとかも)なかった」

 不安を与えないためチームメートに対しても常に冷静な堂々とした態度で接していた。チームの低迷が続く中、背番号1はプレーでも奮闘。打順変更で4番として26試合に出場し、打率・326の好成績を残し、9月の月間打率は開幕後ではもっとも高い・337を誇った。

 「CSへ向けてしっかりやる。残り3試合。勝ちもそうだし、内容も」

 目標は明確に定まった。最後まで笑顔を見せなかった鳥谷の視線の先には、狙いを定めた敵の姿があったに違いない。

 ▼阪神・秋山(今季8度目の先発は5回1死からブランコに2ランを浴びて降板)一人一人抑えていく気持ちでいったが、まだまだ自分の力が足りなかった。

続きを表示

2013年10月4日のニュース