一時はコップも持てなかった…斎藤佑 6失点KO「今の僕の状態」

[ 2013年10月3日 06:00 ]

<日・オ>5回途中で降板し表情を曇らせる斎藤(右は中嶋兼任コーチ)

パ・リーグ 日本ハム1-7オリックス

(10月2日 札幌D)
 日本ハム・斎藤は冷静に現実を受け止めていた。「今の僕の状態が、きょうそのまま出せた。これがもっとよくなるように、という感じですね」。今季1軍初登板にして最後の登板は、4回0/3を6四死球、6失点だった。

 「特別な思いはなかった」と話すが、先頭の平野恵にストレートの四球を与える不安定な立ち上がり。初回こそ無失点で切り抜けたが、2回につかまった。2本の適時打を許して4失点。5回にも失点し、ピンチを残して降板した。

 レギュラーシーズンでの登板は昨年10月5日楽天戦(札幌ドーム)以来、362日ぶり。昨夏から違和感を感じていた右肩は徐々に悪化し、今年に入って関節唇損傷と診断された。一時はコップも持てないほどの痛みに襲われ、春季キャンプでも20メートルほどの距離を投げるのがやっとだった。それでも手術を拒み、肩への負担を軽くする投球フォームを模索してきた。試合後、栗山監督は苦しんだ背番号18を監督室に呼び「ここからだ」と声を掛けた。「正直、今年一年投げられるとは思っていなかった。よくここまで来た」と感慨深げに話した。

 今後は7日に開幕するフェニックスリーグに参加し、3回程度先発登板する見込み。「この1年間を無駄にしないように、来年以降しっかりローテーションを守れるようにしたい。肩に関しては復帰したけど、勝つことに関してはしていない。そこを目指したい」と斎藤。復活への道は険しいが、その視線はしっかりと前を見据えていた。

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