西武・石井 今季限りで現役引退 松井も恐れた日米通算182勝

[ 2013年9月24日 08:00 ]

01年にヤクルトを日本一に導き神宮のフェンスの上でガッツポーズした石井

 日米通算182勝をマークしている西武の石井一久投手(40)が今季限りで現役を引退することが23日、分かった。今季は左肩の不調で出遅れ、若手投手の台頭もあり、7試合の登板にとどまっていた。球団も了承し、24日に発表される。ヤクルトで4度、西武で1度の計5度日本一を経験し、メジャーでも活躍。また一人、球界の顔がユニホームを脱ぐことになった。

 石井が日米合わせて22年間の現役生活にピリオドを打つことになった。周囲からは「まだできる」との声もあったが、本人の意志は固く、この日夜に球団へ伝えた。石井は「今後のことについて球団と話し、了承していただきました」と語った。24日会見を開く。

 今季はキャンプから左肩の調子が思わしくなく、開幕は2軍スタート。先発ローテーションには菊池、野上、十亀ら若手が台頭したこともあり、2軍で調整を続けていた。7月30日に1軍に昇格したが、不慣れな中継ぎに回り、7試合に登板しただけで、0勝1敗、防御率6・75。8月15日に出場選手登録を抹消されてからは2軍でも登板していなかった。

 東京学館浦安から91年ドラフト1位でヤクルト入団。野村監督の下、90年代のヤクルト黄金時代を支えた。石井の代名詞は切れ味鋭いスライダーで、93年2月28日オープン戦ではプロ初打席だった巨人の松井秀喜を腰砕けにさせる見逃し三振。通算109打数22安打、打率・202と抑え込まれた松井はメジャー移籍後「怖いと感じたのはあの1球だけ」と語った。最多奪三振のタイトルも2度獲得。通算1500、2000奪三振の到達スピードはいずれも、江夏豊を上回る史上最速記録を誇る。

 02年にはポスティングでドジャースに移籍し、メジャーでも4年間で39勝をマークした。06年にヤクルトに復帰した後、08年にFAで西武に移籍。投手陣のリーダー格として、若手からの信頼も厚く、公私両面で面倒を見ている同じ左腕の菊池は今季飛躍的な成長を遂げた。明るいキャラクターでも人気があった。

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