上原「周りが言うほど…」 平常心強調も“精密機械”に数センチのズレ

[ 2013年9月19日 06:00 ]

<レッドソックス・オリオールズ>9回に登板し1回を1安打1失点、ベンチで厳しい表情を見せるレッドソックス・上原

ア・リーグ レッドソックス2―3オリオールズ

(9月17日 ボストン)
 ついに記録が途切れた。レッドソックスの上原浩治投手(38)が17日(日本時間18日)、オリオールズ戦に2―2の9回から4番手で登板も、1回1安打1失点。先頭に中越え三塁打を打たれ、連続打者アウトが37で止まると、次打者に決勝右犠飛も許し、連続無失点は27試合と30回1/3で止まった。実に7月6日エンゼルス以来の失点で今季初黒星。それでも地区優勝対象チームのレイズが敗れ、マジックは3に減った。

 わずか数センチのズレだった。同点の9回、上原は2球でバレンシアを追い込んだが、外角高めに投じた3球目の90マイル(約145キロ)直球は狙った位置よりも高かった。打球は中堅手の頭を越え三塁打。8月17日以来の走者を許すと、続くウィータースにはスプリットを右翼へ決勝犠飛を打ち上げられた。

 「(三塁打を浴びたが)コースは間違っていなかった。少し高かった。(犠飛は)ゴロを打たせたかった。少し高かった分、外野までいった」。精密機械のような制球力を誇る守護神にとっては、珍しい失投といえた。試合後は、記録よりも今季初黒星を悔やんだ。「負けたことに腹が立つ。負けがついてはいけないポジション。悔しいです」と唇をかんだ。

 これで連続打者アウトは07年のボビー・ジェンクス(ホワイトソックス)らがマークした大リーグ記録の41に届かず37でストップ。失点も7月6日のエンゼルス戦以来で、自責点は6月30日ブルージェイズ戦以来となる。27試合と30回1/3連続無失点はともに日本人歴代最長。上原は「周りが言うほど気にしていない」と話したが、07年以来の優勝を目指すレ軍の原動力として、地元ボストンの話題を独占してきた。

 優勝マジックは3。次戦に勝利し、インディアンスが敗れればプレーオフ進出が決定する。「(午前)12時を回れば切り替えてやります」。そんなメンタルも上原の強さといえた。

 ≪これまでは長谷川(マ)の25戦連続無失点が最長≫上原が9回、先頭打者に三塁打を浴び、連続打者アウトは37人で止まった。救援投手による大リーグ記録は、07年にボビー・ジェンクス(ホワイトソックス)がつくった41者連続アウト。残り4人と迫っていたが、記録に届かなかった。また、日本人投手最長の27試合連続無失点もストップ。それまでの記録は長谷川滋利(マリナーズ)が03年につくった25試合連続無失点だった。

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2013年9月19日のニュース