「田中将大」をギネス申請へ!エースの偉業称え球団前向き

[ 2013年9月10日 06:00 ]

Kスタ宮城でランニング、キャッチボールを行った楽天・田中

 楽天が田中将大投手(24)の連勝記録をギネスブックに申請することを検討していることが9日、分かった。田中は今季、「世界記録」となる開幕20連勝中。さらに昨年8月からも24連勝しており、球団はエースの偉業を称えて、今季の全日程終了後に申請することになる。田中は球団を創設9年目のリーグ初優勝に導くとともに、最終的に申請される連勝記録を引っさげ「世界の名投手」に仲間入りする。

 投げるたびに日本だけでなく、世界の記録も更新していく「田中将大」の名前が、全世界の人々に絶大な知名度を誇るギネスブックに掲載されることになりそうだ。球団関係者は「正式に決めるのはシーズンが終わってからですが、素晴らしい記録ではあるので(申請を)検討しています」と明かした。

 今季の田中は、まさに「生ける伝説」だ。前回6日の日本ハム戦(Kスタ宮城)で今季7度目の完投勝利を挙げ、1912年にマーカード(ジャイアンツ)がメジャーで記録した開幕19連勝を抜いて、実に101年ぶりに「世界記録」を更新する20連勝をマークした。次回登板でも勝てば昨季から25連勝となり、連続シーズンを含む連勝記録で36~37年にハッベル(ジャイアンツ)が記録した24連勝も抜き去る。  

 星野監督も開幕20連勝について「100年たっても破られないだろう」と目を丸くするほどの記録。チームは球団創設9年目の初優勝に向け、マジックを18まで減らしている。10日からは10連戦がスタートするが、順調に白星を積み重ねていけば今月中にも歓喜の瞬間が訪れる。この日、田中はKスタ宮城で先発組の練習に参加。キャッチボールやフリー打撃などで汗を流した。

 明るい話題が浮上した一方で、暗いニュースも飛び込んだ。08年の北京以来の五輪競技復活へ向けて、前日未明に開催が決定した2020年の東京五輪の追加競技の候補に名前が挙がっていた野球・ソフトボールが落選。球界を代表するエースとして「残念ですね」と複雑な表情を浮かべた。自身も08年の北京五輪や09、13年のWBCなど国際大会を経験することで成長してきた。「やっぱりチームと国を背負うのは比べものにならない。トーナメントみたいな重圧もあります」。何より野球界の発展を願う24歳は、アマチュア選手や若い世代が国際大会を経験するチャンスが少なくなることを残念がった。

 「野球の先進国が(野球の素晴らしさを)伝えなければいけない部分はあると思う」。野球・ソフトボールは2024年での五輪競技復活を目指している。それだけに連勝記録がギネスブック申請で認定されれば、世界に「野球」を大きくアピールすることにつながる。申請料と認定料で計100万円の費用が必要で球団が支払うことになるが、その価値は「プライスレス」である。

 ▽ギネス記録 ギネス・ワールド・レコーズ社によって認定される世界記録。記録を収めた「ギネスブック」(現在はギネス世界記録に改名)は、1955年に初めて出版されてから年に1度、刊行されている。申請には法人や組織の場合、申請料30万円と認定料70万円の計100万円がかかる。個人の場合は無料申請のほか、認定が無料申請に比べて早くなる有料のファストトラック申請もある。

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2013年9月10日のニュース