4番村田でも送りバント!巨人 強さ“濃縮”1イニング9点

[ 2013年9月9日 06:00 ]

<神・巨>6回無死一、二塁、村田は送りバントが三塁内野安打となる。投手・松田

セ・リーグ 巨人9-6阪神

(9月8日 甲子園)
 TOKYOの実力を甲子園で示した。1点を追う6回、そこまで1安打に封じられていた巨人打線が1イニング9得点で逆転。敵地での伝統の一戦では、98年以来15年ぶりとなる猛攻でマジックを一気に2つ減らし「12」とした。

 「追い込まれていたし最低でも犠牲フライと思っていた。よく伸びてくれたね」。最低でも犠牲フライ――。1死二、三塁から代打で左中間席へ9号3ランを放った高橋由の言葉に、今季の巨人の強さが透けて見えた。

 その直前には絶好調の4番・村田が、無死一、二塁で、今季4番に座ってからは初めての送りバント。これが完全に相手の意表を突き、球は無人のマウンドの左側を転がり内野安打に。「準備はしていた。少し強かったけど、いいところに転がってくれましたね」とさも当然とばかりに振り返った。

 続く坂本は無死満塁から左犠飛を放ち追加点を挙げたが、ここでは阿部、村田と決して足の速くない2人が一、二塁からタッチアップして二、三塁とした。「狙えるなら二塁からでも自分の判断で行かないと。やるべきことをきっちりやれている」と大西外野守備走塁コーチ。この回3本塁打の破壊力に目がいきがちだが、それを誘発したのはボディーブローのように効くそつないプレーと犠牲の精神だった。

 日本中が、そして東京が五輪開催に沸き立った一日。04年アテネ五輪で銅メダルを獲得した高橋由は「日本のスポーツ界にとって素晴らしいこと。子供たちはテレビで見ていたのを生で見られる。楽しみですね」と話した。原監督は「バントも決め、犠牲フライも打った。タッチアップも良かった。いいものがないとつながらない。自分たちの野球がしっかりできた」とうなずいた。記念すべき一日に、巨人の真の強さを1イニングに凝縮してみせた。

 ▼巨人・坂本(6回の左犠飛に)修さん(村田)がバントで送って、チームとして絶対に点が欲しいケースだったので、最低限の打撃ができてよかったです。

 ▼巨人・長野(6回に高橋由、寺内に続き左越え17号2ラン)いい流れで回ってきたので流れを切らないようにしたいと思った。

 ▼巨人・寺内(6回に2号ソロ)走者に出ることを考えていたが、最高の結果。

 ≪イニング9得点≫巨人が6回に3本塁打を含む打者12人の猛攻で9点。巨人のイニング9得点は4月24日DeNA戦の8回(9点)、同3本塁打は12年8月21日ヤクルト戦の5回に実松、坂本、阿部が放って以来。甲子園の阪神戦に限れば、イニング9得点は98年4月25日の初回に打者13人で9点を挙げて以来15年ぶり、同3本塁打は95年5月2日の7回に村田真、岸川、マックが記録して以来18年ぶりになる。

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2013年9月9日のニュース