マエケン 2冠だトップタイ12勝 初CSは俺が連れて行く

[ 2013年9月5日 06:00 ]

<広・中>気迫の投球で中日打線を抑える前田健

セ・リーグ 広島2-0中日

(9月5日 マツダ)
 今年こそ行くぞ!広島は4日、エースの前田健太投手(25)が8回5安打無失点の力投でハーラートップに並ぶ12勝目を挙げた。防御率も再び1点台に突入する1・92で堂々の投手部門2冠。眼下の敵、4位・中日を直接対決で叩いてゲーム差を3に広げた。まだ借金8を残すが、球団史上初となるクライマックスシリーズ(CS)進出が見えてきた。

 前田健が吠えた。2点リードの3回1死満塁。やや甘くなったスライダーを柳田に捉えられた。左翼定位置付近への飛球。犠飛かと思われたが、タッチアップした三塁走者・谷繁を天谷がワンバウンドのドンピシャ返球で刺した。

 「ヨッシャー!」。エースはグラブを叩き、そしてガッツポーズ。好守に後押しされ、大きなピンチを併殺で切り抜けて波に乗った。

 「天谷さんのおかげで勝てました。捕ってからステップがかなり大きかったので、早く投げてくれ~と思いました。(併殺は)本当、信じられなかったですね」

 天谷と並んだお立ち台で、そうおどけた右腕は、8回1死一、三塁も後続を断って8回5安打無失点。22イニング連続無失点でリーグトップの防御率を1・92とし、自身6連勝でヤクルト・小川に並ぶハーラートップの12勝目を挙げた。

 圧巻の投球で投手部門の2冠を走り、奪三振135もトップの阪神・メッセンジャーに3差と迫る。「個人記録も大事。狙えるタイトルは狙いたい」という一方で「今はチームがCSに行くために必死に戦いたい」と前を向く。3位をキープするチームにとって、4位・中日との直接対決は大きな意味を持つ。3日が雨天順延となりスライド先発となった影響を感じさせない123球。投げるだけでなく2回の打席では右前打。好機を広げて天谷の適時打につなげた。今季の中日戦は3戦3勝、計23回無失点。3ゲーム差と突き放した。

 大黒柱として、15年連続でBクラスに甘んじてきたチームに危機感を覚えている。「昔はCSに“行きたい”だったけど、今は“行かないと、やばい”になった」。同い年の多くのライバルは既にポストシーズンに出場。楽天・田中も09年にCSを経験し、今年は優勝争いをしている。「同レベルの投手と比較しても僕は出たことがない。1度も経験がないと投手としてダメ」と執念を燃やす。

 チームにとって9月は鬼門。一昨年は6勝16敗1分け、昨年も6勝17敗1分けと大きく負け越してCS進出争いから脱落した。今年も借金生活は同じだが、手は届く位置にいる。野村監督も「凄い気合が入っていた。期待と重圧をはねのけた」と称えた。

 10月上旬にも元タレントの早穂夫人(28)との間に、待望の第1子が誕生する。「CSを決めて、子供に会いたい」。ダブルの歓喜は近い。

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