森友 米国もぶっ倒す カナダ戦でチーム1号&逆転V打

[ 2013年9月5日 06:00 ]

<日本・カナダ>初回2死、森友は中越えソロを放ちナインに迎えられる

第26回IBAF18Uワールドカップ1次ラウンドA組 日本7―5カナダ

(9月4日 台中)
 1次ラウンドが行われ、A組1位通過を決めている日本がカナダに7―5で逆転勝ちした。初回に3点を奪われたが、主将の森友哉捕手(3年)がその裏の攻撃で今大会チーム初本塁打をマーク。4―5の4回には投手を強襲する左前2点打を放ち、2安打3打点の活躍を見せた。5戦全勝で2次ラウンドに進出する日本は5日にB組3位の韓国と対戦する。

 1メートル70。小さな森友が一塁上で仁王立ちした。1点を追う4回1死満塁、外角直球に食らいついた。鋭い打球は投手のグラブをはじき、打球は左前へと抜けていった。

 「しぶとく打つことができた。追う展開で逆転できて自信になった。意味のある勝利だった」

 大リーグから9人がドラフト指名されたメジャー予備軍を森友の決勝2点打で打ち砕いた。初回の不穏な雰囲気を吹き飛ばしたのも主将だ。守備陣が2失策、暴投でいきなり3点を失ったが、その裏の攻撃で2死走者なしから内角直球をバックスクリーン右へ運んだ。

 打席に入る直前にはアクシデントもあった。無死一塁から2番・竹村が二ゴロ併殺に倒れ、一塁を駆け抜けた時に左足を芝生に引っ掛けて倒れ込んで、病院へ向かった。「失策やケガでベンチの雰囲気が落ちていた」。だから3者凡退だけは絶対に回避しようと心に誓った。

 国際大会で使用する木製バットでも打棒は変わらない。ここまで5試合で17打数9安打、打率・529、4試合連続決勝打を放つなど12打点を荒稼ぎ。昨年は初戦で苦杯をなめたカナダに対し、自らのバットで今大会初の逆転勝ちに導き、1次ラウンド全勝を決めた。きょう5日から始まる2次ラウンドでは7日にB組1位の米国と対決する。唯一の2年生捕手として出場した1年前は、米国戦で本塁上で2度のタックルを食らい、病院送りにされた。今大会は「森ルール」が適用され、タックルの禁止が通達されている。

 前夜は宿舎で米国―キューバ戦をテレビ観戦し、闘争心をかき立てた。「(米国に)リベンジしたい。ただ優勝を一番の目標にしている。怖さもあるが、勝たないと世界一は獲れない」。この日夜は台中市内の焼き肉店で決起集会も開き、あらためて全員で世界一を誓い合った。ラフプレーで吹っ飛ばされた悔しさはバットで晴らす。ボールをスタンドまでかっ飛ばしてやればいい。

 ▽森友と昨年9月7日の米国戦 1点リードの7回無死二、三塁から一ゴロで三塁走者・マグワイヤが本塁突入。完全にアウトのタイミングだったが肩から体当たり。森友はボールを離さず本塁を死守も倒れ込んだ。同点とされた直後の1死一、二塁では右前打で二塁走者・アブレイユが猛タックルをぶちかまして勝ち越しの生還。その後の1死三塁での二ゴロは本塁での接触プレーを避けるため、二塁手は一塁送球。試合は5―10で逆転負け。森友はむち打ち損傷で8回の打席後に交代した。

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