不振脱出弾の丸 6試合ぶりマルチ「切れなくてよかったぁ」

[ 2013年9月2日 06:00 ]

<神・広>6回無死、左越えソロの丸(右)は石井コーチと敬礼ポーズ

セ・リーグ 広島2-1阪神

(9月1日 甲子園)
 復調への光が見えた。不振に悩む広島・丸佳浩外野手(24)が1日の阪神戦(甲子園)で決勝弾を放った。同点の6回、先頭打者で左翼ポール直撃の14号ソロ。8回には中前に運び、6試合ぶりのマルチ安打に手応えあり…だ。投げては今井が6回1失点で2勝目。阪神に勝ち越した広島は4位・中日に2ゲーム差とし、3日からマツダスタジアムで直接対決3連戦に臨む。

 甲子園の夜風が心地よかった。左翼席上段を埋める赤ヘル党の歓声が胸に響いた。6回の一撃。忘れかけていた好感触が手のひらによみがえり、丸の表情も久々に緩んだ。

 「久々に自分のポイントで叩けた。今までだとファウルになった球。1球で仕留められた。切れなくてよかったぁ」

 秋山の初球、外角高めの球を鋭く振り抜いた。快音を発した打球は、そのまま左翼ポールを直撃。8月13日の阪神戦(京セラドーム)以来、17試合ぶりの14号ソロは、値千金の決勝弾となった。

 8回には巧みなバットさばきを披露した。1死走者なしの場面。久保がカウント2―2から投じた、146キロの外角低め直球を見極め、ジャストミートしてみせた。6試合ぶりのマルチ安打。復調を感じさせる打撃を、丸は自画自賛した。

 「2本目の方がボク的にはよかった。追い込まれながら、あんなふうに食らい付いていけたので」

 7月31日のDeNA戦(マツダ)から13日の阪神戦まで、12試合で放った6本塁打が記憶に新しい。一発の魅力、量産の感触は、しかし、無意識のうちに強引さを生んでいた。新井打撃コーチは「あの頃から、強いインパクトを求めるようになっていた」と指摘する。

 翌14日から31日までの16試合は、56打数10安打の打率・179。このうち10試合で3番を打ったが、得点圏で苦しみ、わずか2打点と低迷した。直球に振り遅れ、ファウルになる。四球が多いのが長所なのに、同じくらい三振数も増えていた。

 「これで楽に…いや、ならないかなぁ。あぁいう(明るい)ヤツでも口数が少なくなる。苦しい経験から大きく成長してほしい」と野村監督。新井コーチは「技術面は問題ない。あぁいう形で本塁打と安打が出てよかった」とし、愛弟子の不振脱出を感じ取っていた。

 無論、本人にも手応えあり…だ。「最近は三振が多かったけど、きょうは久々に良かった。キッカケにしたい」。コースに逆らわず広角に打つのが、新井コーチに師事する今季の丸の進化。もう大丈夫だ。週明けからは3位を争う高木竜との直接対決。爆発に期待だ。

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2013年9月2日のニュース