ロッテ 逆襲のサヨナラ 3.5差自力V復活 伊東監督「鳥肌の立つ試合」

[ 2013年9月2日 06:00 ]

<ロ・日>手荒い祝福に“ダウン”の根元

パ・リーグ ロッテ4-3日本ハム

(9月1日 QVC)
 サヨナラのロッテで逆襲だ。ロッテは1日、日本ハム戦の9回2死二塁から根元俊一内野手(30)が、左前に2年ぶり3度目のサヨナラ打を放った。チームはパ・リーグ最多となる7度目のサヨナラ勝ちで3連勝。首位・楽天がソフトバンクに敗れたため、自力優勝の可能性を復活させた。楽天に3・5ゲーム差と再接近。パ・リーグの灯は消えていない。

 左翼線で打球が弾むのを確認した根元は、右手を何度も突き上げた。同点の9回2死二塁、2ボール2ストライクから放った劇的な一打。11年8月21日の西武戦(QVCマリン)以来3度目のサヨナラ打に、お立ち台での声も弾んだ。

 「自分で決めようと欲を出さず、後ろにつなごうという意識。それが最高の結果になって良かった。きょうから9月。ここからが本当の勝負で、いいスタートが切れた」

 根元には返さなければいけない借りがある。昨季までの背番号32から2に変えて臨んだ今季は、開幕から主に1番打者としてチームをけん引。だが、左太腿裏を痛めて7月26日に出場選手登録を外れた。当時は無理すれば出られる状態。ただ、シーズン終盤の勝負どころを万全の状態で迎えるために治療を優先させた。

 リハビリ中は「チームの流れをつかめるように」と毎試合、一緒に戦っているつもりでテレビ観戦。8月9日からの札幌遠征中に行われた内野手会には電話で参加し、仲間の声を聞いて気持ちを奮い立たせた。同20日に復帰すると「離脱した分を取り戻す」と12試合で打率・311を記録しているが「まだまだです」と満足していない。

 伊東監督も執念の采配を見せた。3点を追う5回無死一塁で出したのは送りバントのサイン。「なかなかチャンスがなくて、まず1点取って流れを変えたかった」。結果的に得点圏に走者を送ったことで相手に重圧をかけ同点劇につながった。9回1死一塁では岡田が送りバントを失敗したが、代走・伊志嶺が二盗に成功。これが根元のサヨナラ打を呼んだ。リーグトップとなる今季7度目のサヨナラ勝ち。デーゲームで敗れた首位・楽天に3・5ゲーム差に迫り、再び自力優勝の可能性が復活した。

 「久しぶりに鳥肌の立つ試合。つなぐ野球ができているし、期待が持てる」と指揮官。「逆転のロッテ」は9月も健在だ。

 ≪7度目劇勝≫ロッテが根元の左安打で今季7度目のサヨナラ勝ち。パでは西武の5度を超える最多回数で、チームでシーズン7度以上は09年の7度以来4年ぶりだ。また、根元のサヨナラ安打は11年8月21日の西武戦以来2年ぶり3本目となった。なお、ロッテが勝ち、楽天が敗れた結果、ロッテの自力優勝の可能性が復活。楽天のマジックは消滅した。ロッテが残り27試合に全勝すると勝率・634(90勝52敗2分け)となり、楽天がロッテ戦以外の24試合に全勝した場合の勝率・629(90勝53敗1分け)を上回るため。

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