ダル236K野茂に並んでも悔しすぎる被弾「むかつく」

[ 2013年9月1日 06:00 ]

ツインズ戦の7回、ハーマンに同点2ランを浴び、がっくりするレンジャーズのダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ2―3ツインズ

(8月30日 アーリントン)
 天国から地獄だ。レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)は30日(日本時間31日)、ツインズ戦で6回まで無安打投球。しかし、7回無死一塁から初被安打となる同点2ランを含む2者連続本塁打を浴び、6回2/3を3安打3失点で6敗目(12勝)を喫した。この日の11奪三振で、95年にドジャースの野茂英雄(45)がマークした日本人大リーガー最多の年間236奪三振に到達。パイオニアに並ぶ記録は、悔しさの中で達成された。

 首をかしげた後、ダルビッシュは、がっくりとうなだれた。2点リードの7回無死。先頭打者に四球を許すと、2ボールから内角低め91マイル(約146キロ)直球を右越えに運ばれた。この日初めて許した安打が同点弾。打たれた相手は控え捕手の2番ハーマンだ。

 「本塁打を打たれたらダメと自分で言い聞かせていたところで本塁打を打たれたので、何も言い訳をするつもりはありません」と会見の第一声。根っからの負けず嫌いであるダルビッシュには、極めて珍しいことだ。それほど悔やみ切れない一球だった。

 続く3番モーノーへは4球目スライダーが真ん中付近に。右翼2階席に特大ソロを被弾し「1本目はうまいこと打った。2本目は甘かった」。ショックを引きずった中で勝ち越しまで許した。

 皮肉にも、続くウィリンハムから11個目の三振。パイオニアの野茂に並ぶ日本人最多の年間236奪三振に到達した。しかし、結果は6回2/3を3安打3失点で降板。6回までの無安打投球から、一気に敗戦投手へと暗転した。日頃から三振数には「アウトの一つ。何も思わない」と無関心を貫くが、屈辱とともに節目の記録は刻まれた。

 「チームがなかなか得点をできなかった中で、ああいうふうに簡単に追いつかれるのは、チームの士気を下げたかなというふうには思います」

 前回登板の24日のホワイトソックス戦では、塩分などの摂取不足から両足がつった。今回は「体は大丈夫だった」と教訓を生かした半面、投球自体は「そこまで良い状態ではなかった」という。気温38度に達した酷暑の中、適度にばらつくスライダーを巧みに散らしながらの好投。ロン・ワシントン監督も「あの2球だけだった」とかばったが、ダルビッシュは自らを許せなかった。

 8試合連続のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を記録しても、最近3試合は白星から遠ざかり、全てチームも敗れている。米国人記者から「最近の投球に、いら立ちを感じるか」と聞かれると、二村健次通訳が質問を訳す前から「むかつくでしょう。そりゃあ、むかつくでしょう。そんなの」と応じた。会見の最後にようやく見せた、荒々しい「ダルビッシュ節」。この悔しさは、地区優勝へ向けラストスパートをかける9月に返す。

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