バレ“四球地獄”にイラッ ここ7試合で13個

[ 2013年9月1日 06:00 ]

<ヤ・D>3回2死一、二塁バレンティンは四球に不満そうな表情を見せる 投手・井納

セ・リーグ ヤクルト9-12DeNA

(8月31日 神宮)
 連日の四球攻め。ついにヤクルト・バレンティンのうっ憤が爆発した。投手を鋭い眼光でにらみつけ、外角のボール球を無理に追いかけるさまは明らかにいらだっていた。逆転負けを喫した試合後も必死で平静を保とうとし「スミマセン」とだけ話してクラブハウスに引き揚げた。

 前日も1、2打席は連続四球。3打席目の52号は内角低めのボール球に対してバットを折りながら強引に放り込んだものだった。その翌日の試合でも再びリプレーを見るかのように1、2打席は連続四球。特にDeNAの投手陣からは球団別最多の24四球と勝負を避けられている。55本の日本記録更新が目前に迫り「記録が近づけば近づくほどいい球は来ない」と分かっていても、本能は抑えきれなかった。

 4回の2死三塁の好機では、1ボールから外角の明らかなボール球のスライダーに対して2球連続で強引に振りにいって空振りした。2ボール2ストライクから、再び外角の見逃せばボール球という直球を腕いっぱいに伸ばして体勢を崩しながら中前適時打。9回の第5打席でも左前打したが、ぶ然とした表情で一塁へゆっくりと走った。

 8月は月間記録を更新する18本塁打。まだ29試合も残している。だが、これまで「王超え」に挑んだ01年のローズ(近鉄)も、02年のカブレラ(西武)も終盤は四球攻めに遭い、打撃を崩して55本止まりだった。

 ここ7試合は35打席で敬遠も含めて13四球。胸元の直球で体を起こし、バットの届かない外角の誘い球で勝負という配球が増えてきていることに、池山打撃コーチは「じらされてイライラしている。少し外の球を追いかけだしているから、ここが踏ん張りどころ」という。この見えない壁を乗り越えなければ、55本の壁も越えられない。

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2013年9月1日のニュース