稲尾氏長女がマー君への思い代弁「父は“もっとやれ!”と言っている」

[ 2013年8月31日 12:50 ]

<ソ・楽>初回、枡田の適時打で生還したジョーンズ(左)を出迎える田中
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 「田中は楽しみだなあ」――。06年夏の甲子園決勝。早実・斎藤(現日本ハム)と投げ合う姿を見て、生前の稲尾和久さんはそう口にしたという。

 都内在住で、稲尾さんの長女・庄野多香子さん(51)は、「私もニュースなどで見ていますが、今回の田中投手の記録で何度も何度も名前が出て、(天国の)父も本当に喜んでいると思いますよ」と話した。

 神様、仏様、稲尾様。昭和の鉄腕が自己最多のシーズン42勝を挙げた61年(昭36)、庄野さんは長女として生まれた。「42勝って何だろう?って。お化けのような数字。父は家では野球の話なんてめったにしなかったし、当時はあまりよく理解していなかった。後から実感しました」。庄野さんは稲尾さんの07年の没後、その著書などをあらためて読み直したという。伝わってきたのは、父の「日本の野球を盛り上げたい」という熱い思い。それだけに、田中の連勝記録についても「父は“もっとやれ!”と言っていると思う。塗り替えていけって。やっぱりヒーローが出てくると、世の中が活気づきますから」と力を込めた。

 庄野さんは、田中が新人王などを獲得した07年オフ、亡くなった稲尾さんの代理として表彰式に出席。一度だけ田中と直接会ったという。「わあ、凄い若いなって思いました。お話しする機会はなかったですけどね」。24歳の、平成の鉄腕。開幕20連勝の先には、稲尾さんも踏み入れてない未踏の地が広がっている。

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2013年8月31日のニュース