山本昌 48歳1勝 プロ野球史上63年ぶり2人目

[ 2013年8月29日 06:00 ]

<ヤ・中>森野(右)からウイニングボールを手渡される中日・山本昌

セ・リーグ 中日11-7ヤクルト

(8月28日 神宮)
 笑顔はなかった。今月11日に48歳の誕生日を迎えた中日の山本昌は5勝目を挙げたが、5回7安打5失点の内容に唇をかんだ。

 「自分に腹が立つ。内容が悪くて悲しいし、あんな(大量リードの)展開でバタバタして恥ずかしい」

 序盤から変化球が高めに浮くなど、本調子ではなかった。2回に2安打と失策も絡んで1点を失う。直球を両サイドに散らしつつ、何とか立ち直るきっかけを探し続けた。3、4回こそ3者凡退に抑えたが、5回に5安打を浴びて4失点。105球を投げた現役最年長左腕は「(救援の)みんなを使って申し訳ない」とうつむいた。

 それでも意地は見せた。前日に2本塁打を放っている主砲バレンティンには真っ向勝負。2回の第1打席は強気に内角を突いて直球で中飛、4回の第2打席は一転して外角攻め。スクリューボールで三ゴロに仕留めた。続く5回の打席では3ボールから適時打を浴びても、攻めの姿勢を崩さなかった。

 さらに打撃でも魅せた。2回無死満塁で中前適時打。08年9月5日横浜戦(ナゴヤドーム)以来、5年ぶりの安打は今年、僚友の山崎が記録したセ・リーグの最年長安打、自身の持つリーグ最年長打点を塗り替えた。「記録は関係ないけど久しぶりに打ったな、という感じ」と振り返った。

 27年前に初登板を飾った神宮球場で、プロ野球史上2人目となる48歳での白星。まさに投打ともに、山本昌の後に道はできる。

 ≪浜崎以来63年ぶり2人目≫48歳0カ月の山本昌(中)が勝利投手。48歳以上での勝利は50年浜崎真二(阪急=48歳4カ月)以来63年ぶり2人目。自身の持つ、最年長先発勝利とセの最年長勝利も更新した。また、40歳以上の通算勝利が39勝となり、工藤公康(西)の38勝を抜く歴代1位。この日は打っても適時安打。48歳を過ぎての安打、打点も浜崎以来2人目。浜崎の最年長安打(48歳9カ月)、同打点(48歳4カ月)には及ばないが、いずれもセ最年長記録を更新した。なお、勝利投手と安打を同じ試合で記録したのは48年浜崎の46歳8カ月が従来の最高齢だったが、山本昌はこれを上回った。

 ▼西武・渡辺監督(同じ1965年生まれ)来年も現役をやるだろうからね。まだまだ頑張ってほしいね。

 ▼巨人・斎藤投手コーチ(同じ65年生まれ)勝つのは簡単じゃない。試合で投げられるだけでも凄いこと。学年は彼が1つ下だけど、同年代として応援してしまいます。

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2013年8月29日のニュース