バレ48号 宮本への恩返しはこれから「まだラストゲームではない」

[ 2013年8月26日 06:00 ]

<広・ヤ> 3回1死一塁、バレンティンは中越えに48号逆転2ランを放ちハイタッチ

セ・リーグ ヤクルト5―4広島

(8月25日 マツダ)
 勝利のために戦う。それは宮本から学んだことでもある。1点を追う3回1死一塁からヤクルト・バレンティンが放ったバックスクリーン左への48号2ラン。プロ野球記録の年間55本塁打へまた一歩近づく一撃は、チーム全体に勇気を与えた。

 「完璧なスイングではなかったが、芯で捉えることができたし、感触は良かった。勝てて良かった」

 最近5戦で6発。今月は14本で、92年8月のハウエルを抜き月間本塁打の球団新記録となった。本塁打率を見ると、55号を打った歴代のスラッガーを上回る。1本当たりに要した打数は7。これは64年王の8・6、01年ローズの10、02年カブレラの8・1をしのぐ。

 来日1年目の11年。宮本から「ボールを追いかけなくても待っていればいい」と言われた。変化球を追いかけて凡打を繰り返した姿は今はない。この日も5回以降、敬遠気味の四球を含む3四球を選んだ。打てる球だけに集中した。「(宮本は)野球選手として、プロフェッショナルとして模範となる選手。間違ったことをすると、常に指摘してくれた」と語る。

 試合前の円陣。相川が「CSまで行って宮本さんと長くやろう!」と言った。3位・広島まで6ゲームあるが、ナインは絶望的とは感じていない。バレンティンは言う。

 「まだ彼が出場するラストゲームじゃない。だから特別ではない」

 宮本と戦える最後の日まで、勝利のアーチをかけ続ける。それが、55本超えとともに、大先輩への最大の恩返しになる。

 ≪球団新 月間14発≫バレンティン(ヤ)が今季48号。8月はこれで14本目となり、92年8月ハウエルの球団月間記録13本を更新した。月間本塁打のプロ野球記録は04年4月阿部(巨)ら3人がマークした16本で、今月5試合を残すバレンティンはどこまで増やすか。

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