吉川2カ月ぶり白星 指揮官気合「自分を信じられなくてどうする」

[ 2013年8月26日 06:00 ]

<オ・日>吉川は8回途中までオリックス打線を無失点に抑え7勝目をあげる

パ・リーグ 日本ハム3―0オリックス

(8月25日 京セラD)
 今季初めての光景だ。3点リードの8回1死一、二塁。日本ハム・吉川がピンチを迎えると、栗山監督がマウンドに足を運んだ。「俺もみんなもお前を信じている。お前が自分を信じられなくてどうする!」。崩れかけた左腕エースは指揮官の言葉にもう一度気合を入れ直した。

 ロッティーノを左飛に打ち取ると、続く安達に2球を投じたところで左足をつって降板したものの、7回2/3を4安打無失点。117球の熱投で6月28日の西武戦(札幌ドーム)以来の7勝目を挙げ、チームを引き分けを挟んで5連勝に導いた。

 「しっかり腕を振れたことが結果につながった。鶴岡さんのミットだけを目がけました」。昨年のリーグMVP左腕は6連敗と苦しんでいたが、この日は3回までに7奪三振。4回以降は打たせて取る投球がさえた。

 3試合ぶりにバッテリーを組んだ鶴岡も好投を引き出した。「相手は吉川のスタイルが頭にあるはず」と直球とスライダーでグイグイ攻める投球から一転。チェンジアップ、カーブと緩い球を使った。そのチェンジアップも3~5回は多投したが、6回は1球も使わず。踏み込んできた右打者にスライダーで内角をえぐるなどして翻ろうした。さらに「吉川が自立しなければチームの浮上はない」と試合前の打ち合わせもしなかった。投球に集中させるための無言の叱咤(しった)だった。

 「前に進んだんじゃないかというのはあります。チームにかけた迷惑をどれだけ取り戻せるか」と吉川は言った。借金返済まであと1。チーム全員がこの復活を待っていた。 

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