前橋育英の2年生右腕・高橋光 決勝も完投で優勝投手に!

[ 2013年8月22日 15:38 ]

<延岡学園・前橋育英>優勝を決めマウンドで喜びを爆発させる前橋育英・高橋光

第95回全国高校野球選手権大会決勝 前橋育英4―3延岡学園

(8月22日 甲子園)
 9回2死一、二塁で最後の打者を空振り三振に仕留めると、前橋育英の2年生エース高橋光成(こうな)はマウンド上で両腕を突き上げた。そして、女房役の小川と体をぶつけ合うように抱き合うと、歓喜の輪の中心で笑顔が弾ける。

 準決勝まで41回を投げ、自責点ゼロ。疲労は隠せなかったが、試合前に「自分は2年生だと思っていない。負けたら引退だと思って投げる」と悲壮な覚悟で臨んだ決勝も3失点で完投し、チームを初出場初優勝に導いた。

 4回に3点先制を許し、今大会初めての自責点がついたが、直後の5回に味方が追い付いた。勝ち越した直後の7回は二つの空振り三振を奪って三者凡退とするなど、要所での力強さが光った。試合途中、疲労を気にかけた荒井監督に声をかけられたが、「大丈夫です」と答えた。「ちょっとスタミナが足りない」と自覚したが、粘り強く投げることに集中した。9回のピンチは「先輩たちや全員の気持ちを込めて投げました」。最後の打者を空振り三振に仕留めた瞬間を「最高です」と振り返った。

 大会前は、夏連覇を目指す大阪桐蔭(大阪)のスラッガー森友哉(3年)や、春夏連覇がかかった浦和学院(埼玉)の左腕エース小島和哉(2年)、センバツ準優勝から夏優勝を目指す済美(愛媛)の最速157キロ右腕・安楽智大(2年)らが大きな注目を集めた。だが、初戦の岩国商(山口)戦で歴代2位の9者連続奪三振に始まり、史上7人目の2試合連続1―0完封勝利、自責点0での決勝進出と甲子園にその名前を轟かせたのは前橋育英の高橋光成。まだ顔にあどけなさの残る16歳が、甲子園でまさに光に成った夏だった。

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