大谷 花巻東に応援打 みちのく山形で元球児ハッスル

[ 2013年8月21日 06:00 ]

<楽・日>4回、先頭の大谷は右前安打で出塁

パ・リーグ 日本ハム9-5楽天

(8月20日 荘日ス)
 日本ハムの大谷翔平投手(19)が20日、山形で行われた楽天戦に「5番・右翼」で先発フル出場。1安打1打点1盗塁を記録し、楽天戦の連敗を4で止める勝利に貢献した。渋滞で球場入りが約1時間遅れるアクシデントも何のその。甲子園ではきょう21日の準決勝に母校・花巻東(岩手)と、日大山形が登場。大舞台で健闘する東北球児たちに自らを重ねるような全力プレーで、東北のファンを魅了した。

 慣れ親しんだ東北の地で、日本ハム・大谷が首位叩きに一役買った。高校野球ばりのシーソーゲームを制して楽天戦の連敗を4でストップ。「打線もつながったし、この勢いであしたもいけるかなと思います」と胸を張った。

 「5番・右翼」として3戦連続の先発出場。4回の第2打席で一、二塁間を抜く右前打を放つと、小谷野の2球目に二盗を決めた。そして9回の第5打席。1死一、三塁からバットを折りながら右犠飛を打ち9点目を奪い取った。プロ142打席目で初の犠飛。「できれば(右翼手を)超えてくれればよかったけど、差し込まれた」と振り返るが、得点圏でしっかりと仕事を果たした。

 この日チームを乗せたバスは午後3時に球場入りする予定で山形駅近くのホテルを出発したが、大渋滞に巻き込まれ、到着は打撃練習開始予定時刻の午後3時50分。慌ただしく各自でアップをして、打撃練習はグラウンドと室内に分けて行うなど、慣れない地方球場でのドタバタ劇。それでも大谷は「ずっと寝ていました。(渋滞は)知っていましたけど、大丈夫でした」とケロリ。大物ぶりは相変わらずだった。

 東北全土で活躍した高校時代でも「たぶんないと思う」という荘銀日新スタで大暴れ。甲子園では母校の花巻東、そしてこの球場で大舞台の切符をつかんだ日大山形が4強に名を連ねる。「自分もそこを目指してやってきた。どちらも頑張ってほしい」と東北勢の決勝対決を願う大谷。21日に行われる準決勝を前に、この日の奮闘は大旗の「白河の関越え」を目指す後輩たちへのエールにもなったはずだ。23日オリックス戦(京セラドーム)の先発登板に向け、21日からは投手調整に専念する。ビジターチームにもかかわらず子供たちから大きな声援を受けていた二刀流ルーキーは「東北で何とか勝てたのでよかったと思います」と最後に頬を緩めた。

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