ソフトB 新垣 “脱三振”で今季初勝利狙う かつての4本柱生き残り

[ 2013年8月20日 06:00 ]

キャッチボールで調整する新垣

 最後の一人の意地を見せる。ソフトバンクの新垣が20日のオリックス戦(ヤフオクドーム)で先発し、今季初勝利を狙う。

 05年には斉藤(前リハビリ担当コーチ)、和田(オリオールズ)、杉内(巨人)と4本柱と呼ばれたダイエー黄金期の生き残り。「一緒に投げてきた投手はもう、ほとんどいない。時代は常に変わっていくけど、何とか今までやってきたことを若い人たちへつなげたい」。背番号18はさまざまな思いを背負うマウンドになる。

 プロ11年目の今季は3試合に先発し、0勝0敗。ただ、2軍では6勝2敗、防御率2・70と安定している。意識改革の成果だ。04年最多奪三振(177個)や歴代4位の82暴投で荒々しい印象が先行するが、新垣は「今のボールで追い込んでも三振を取れるか、分からない。ムダな球をなくし、三振でなく、コースを狙う」と宣言。かつての奪三振王は「脱三振」で勝利にこだわる。

 近年の新垣は右肩痛、腰痛などリハビリ組で過ごす時間が長かった。斉藤前コーチとは特に苦楽をともにしてきた。7月29日、現役復帰断念の一報を受け「一緒に(プレー)できなくなり、さみしいです」とメールを送った。同学年の和田、杉内も11年オフにチームを去った。伝統を守る者としての役割は勝利をつむぐことだ。

 右膝痛の寺原、不調で抹消された岩崎、大場――。先発ローテーションが苦しい中で33歳のベテラン右腕の経験に期待がかかる。「若い人は強いホークスを受け継いでほしい。自分もまだまだ、若手に負けないよう一踏ん張りしたい」。一時代を築いた剛腕の腕の見せどころがやってきた。

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2013年8月20日のニュース