ロッテ古谷 7年分超えた5勝!わずか2カ月弱で

[ 2013年8月14日 06:00 ]

<ロ・楽>試合終了の瞬間、5勝目を挙げた古谷はベンチの中で雄叫びを上げる

パ・リーグ ロッテ3-0楽天

(8月13日 QVC)
 昨年までのプロ7年間での白星の数を、わずか2カ月弱で上回った。今季5勝目。ロッテ・古谷は、マウンドで常に自分自身に言い聞かせていた。

 「丁寧に、諦めないで、焦らずに。一つ一つアウトを取っていこう」。2回1死満塁、5回1死二、三塁…。再三のピンチを耐えた。表舞台からはほど遠い野球人生。その道のりをなぞるような、粘りの投球だった。

 「初回からずっと走者を背負って、しんどかった」。直球は最速138キロ。しかし球持ちの長い、同じ腕の振りから100キロ台前半のカーブを織り交ぜ打者を幻惑する。「真っすぐは速くないけど、怖がらずにいった。中軸には絶対打たれないよう気合を入れた」。3~5番を9打数無安打。6回2死からは4者連続三振で、7回6安打無失点でマウンドを降りた。

 「甲子園は本当にいい思い出。江川さん、先輩ですよね」。98年8月12日。古谷は駒大岩見沢の2年生エースとして聖地のマウンドに立った。岡山城東戦で8回2失点。しかし3年生に「江川卓」という一塁手がおり、注目は「同姓同名選手」に集まった。駒大でも硬式野球部には途中入部。プロ入り後も昨季までほとんどが中継ぎだった。

 しかし、32歳にして開花。今季は6月26日オリックス戦(京セラドーム)で9回2死まで無安打無失点の快投を演じるなど、故障者続出の投手陣にあって、今やエース格だ。今季唯一の黒星は7月4日楽天戦(Kスタ宮城)。その相手に見事リベンジし、首位とのゲーム差を5・5に縮めた。

 次戦は中4日で18日のオリックス戦(QVCマリン)に先発する。フル回転の左腕は「5勝目はうれしい。でも(シーズンの)最後まで投げないと」。いつ、どんな形で光が当たるか分からない。それは野球でも、人生でも同じだ。

 ▼ロッテ・伊東監督 古谷は粘りがあったし、序盤のピンチも落ち着いて抑えてくれた。こっちは挑戦者。最低でも(3連戦で)2勝と思っている。あしたも総力戦で戦う。

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