ソフトB 自力V消滅 藤本コーチ マー君に「完全に遊ばれた」

[ 2013年8月10日 06:00 ]

<楽・ソ>8回1死満塁、内川は空振り三振に倒れる

パ・リーグ ソフトバンク0-5楽天

(8月9日 Kスタ宮城)
 精根尽き果てていた。自力優勝の可能性が消えた試合後、ソフトバンク・内川の足取りは重い。

 初回1死三塁、2ボール2ストライク。田中の内角149キロ直球にバットは空を斬った。開幕から連勝街道をまい進してきた剛腕を仕留めるチャンスを逃し、今季4度目の零封負け。背番号1は敗戦の責任を背負い込んだ。

 「僕が打たなかったから、こうなった。打てるボールを前に飛ばせなかった。打とうと思ってやっているけど、僕の技術が追いついていない」

 史上2人目の両リーグ首位打者を獲得した安打製造機の技術を持っていても、この日は4打数無安打。プロ野球新記録の16連勝を懸けてマウンドに上がった田中を止めることはできなかった。

 チームとしても白旗だ。藤本打撃コーチは「完全に遊ばれた。走者がいる時、いない時で投球が違う。頭に入れてやらないといけない」と肩を落とした。7回までに田中から放った4安打は、全て走者なしの場面だった。簡単に言えば長いイニングを投げるために必要な「抜いた球」といえる。7回1死三塁、力を入れた田中に江川は握り拳一個分ほどグリップを短くしたが、この日、最速154キロにかすりもしなかった。対田中は10年8月22日(Kスタ宮城)以来の7連敗。これが現実だ。

 チームの自力優勝の可能性が消えた。09年に秋山監督が就任して以来のスピード記録となってしまった。「うまいことギアチェンジができるから、16連勝できるんでしょう」と指揮官。2年ぶりの頂点ははるか、遠くなった。「ここで倒れないよう、頑張りたい」。内川は自らの言葉で、折れそうになる心を必死に支えていた。

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2013年8月10日のニュース