原政権最速M39!無安打無打点で逆転「何と言っていいのか」

[ 2013年8月10日 06:00 ]

<広・巨>8回、坂本の左飛からの返球を捕手・倉(右)が落球。三走・鈴木が同点の生還

セ・リーグ 巨人5-4広島

(8月9日 マツダ)
 相手チームへかけるプレッシャーがそうさせるのか。8月9日。まさかの大逆転劇で、自身の政権下では最速での優勝マジック「39」を初点灯させた原監督は、苦笑いで試合を振り返った。

 「何と言っていいのか分かりませんけどね…。粘り強く戦ったと思います」。1点を追う8回だった。先頭ロペスが三塁・堂林の悪送球で出塁。四球と犠打で1死二、三塁とし、坂本は左翼への浅い飛球。三塁走者の代走・鈴木は三塁へ一度帰塁し、タッチアップの体勢が取れていなかった。それでも迷わず突入。タイミング的にはアウトだったが、タッチにいった倉のミットからボールがこぼれた。果敢なスライディングで同点ホームをもぎ取り「捕球体勢も良くなかったし、行ったことでああいう結果が起きた」と振り返った。

 「本来ならもう少しいい走塁をしてくれれば何てことはないんでしょうが、判断ミスもあり。しかし非常にアグレッシブではあった」と指揮官。さらに2死三塁から続く橋本への初球で、3番手・ソコロビッチがボーク。巨人では09年5月13日の横浜戦(横浜)以来4年ぶりとなる無安打、無打点での2得点で逆転白星が転がり込んだ。

 3試合連続の逆転勝ち。しかも全て8回以降の終盤だ。逆転勝ちは両リーグ最多の30度目である。序盤に先発・小山が4回途中でKOされ、4点差をつけられた。だが中継ぎ4投手が無失点でつなぐと、打線がじわじわと追い詰める。6回に高橋由が中越え適時二塁打、7回に長野が右前2点打で1点差。そして相手のミスを誘って逆転だ。

 原監督はいう。「全員で野球をやっている。本来の巨人のプレーができた」。対戦相手に恐怖を植え付ける終盤の粘り腰。横浜(現DeNA)から移籍2年目の村田もいう。「打線には本当に粘りがあると思う」。2年連続リーグ優勝へのカウントダウンが始まった。「マジックは5以下になったらコメントします。今のところは特にありません」と原監督。独走逃げ切りへ、最後まで隙を見せることはない。

 ▼巨人・坂本(2安打で逆転に貢献し)出塁することだけを意識してやっています。それが一番いいのではないか。(マジックは)まだまだです。

 ▼巨人・長野(7回に反撃の右前2点適時打)みんながつないでくれたので打てました。走者を還せて良かったです。

 ▼巨人・阿部(2試合ぶりに出場し二塁打と4四死球)勝てたからいいけどね。チームとしては凄くいいと思う。

 ≪02年より4日早く≫巨人は0―4のビハインドから逆転勝ち。今季の逆転勝利は両リーグ最多の30度目。巨人がシーズン30度以上の逆転勝利をマークするのは10年の30度以来3年ぶりになる。球宴後は12勝3敗の快進撃だが、うち逆転勝利が9度と粘り強い。この中で2試合前の7日DeNA戦でも0―4から12―6と4点差を逆転。巨人が3試合以内で2度4点差をひっくり返したのは06年5月31日、6月1日の日本ハム戦で0―4→11―4、4―8→10―8と2試合連続で記録して以来7年ぶりだ。

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