宮古北・山本 感謝の始球式 震災犠牲の祖父と“一緒”に

[ 2013年8月9日 06:00 ]

始球式で投手を務めた宮古北・山本(右)と石巻商・今野

第95回全国高校野球選手権

(8月8日 甲子園)
 開幕戦に先立った始球式では、宮古北(岩手)の山本将大投手(3年)が石巻商(宮城)の今野克哉捕手(3年)に白球を投じた。

 捕手の頭上を越える大暴投となったが山本投手は「球はそれてしまったけど一生の思い出になった」と笑顔。震災で亡くなった祖父・佐宏さん(享年81)の写真をポケット入れて憧れのマウンドに立ち「甲子園に来られたよ。今までありがとうと(祖父に)伝えたい」と話した。今野捕手は「(甲子園は)特別なところだった。大学で野球を続けたい」と感動を口にした。

 ≪開会式アラカルト≫

 ◆観衆 開会式の観衆は4万人。昨年は3万4000人だった。

 ◆優勝旗返還 昨夏の覇者・大阪桐蔭が森友哉主将(3年)を先頭に行進。「春の旗より重くて…。第一目標だった、全員で優勝旗を返しに来ることはできた」

 ◆選手宣誓 帯広大谷(北北海道)の杉浦大斗主将(3年)が「高校生らしく爽やかに、すがすがしいプレーをすることを誓います」と宣誓。「重圧で昨晩は夜中に起きてしまった。ホッとしています」

 ◆先導役 東日本大震災で福島第1原発事故の被害を受けた浪江町出身の福島東・今泉翔太選手(3年)が、49代表校を先導。「凄く緊張した。大舞台で堂々と歩けたので、この経験を社会に出ても生かしていきたい」

 ◆司会 小野高校(兵庫)の松井愛さん(3年)と甲南女高校(兵庫)の豊田雛子さん(2年)が司会を務めた。松井さんは「熱い夏が始まるんだなと思いました」と話し、豊田さんは「上々の出来だと思います」。

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