星稜 箕島と延長18回激闘から34年 山下名誉監督「当たる気がする」

[ 2013年8月5日 06:00 ]

グラウンドに駆けだす星稜ナイン

 第95回全国高校野球選手権大会(8日から15日間)の出場校による甲子園練習3日目が4日行われ、16校が汗を流した。6年ぶりに出場する星稜(石川)はシート打撃などで調整。スタンドで練習を見守った山下智茂名誉監督(68)は、1979年に延長18回の激闘の末、サヨナラ負けを喫した箕島との再戦を「予言」した。5日の最終日は横浜(神奈川)など8校が調整。その後、大阪市のフェスティバルホールで組み合わせ抽選会が行われる。

 6年ぶりの夏の甲子園。ネット裏から練習を見守った山下智茂名誉監督は宿敵の箕島も29年ぶりに出場することに「縁深いものを感じる。私は(箕島と)当たるような気がする」とつぶやいた。

 79年夏。星稜は3回戦で箕島と延長18回の死闘を繰り広げ、サヨナラ負けを喫した。今も語り継がれる名勝負。敵将だった尾藤公監督は2年前の11年3月に他界。68歳だった。既に監督を退任し、葬儀に出席した山下名誉監督は涙を浮かべながら「若い監督とともに素晴らしい高校野球にしていきたい。天国から見守ってほしい」と伝えた。

 あれから34年がたった。箕島は今年から長男の強(つよし)監督が母校を率いて甲子園に戻ってきた。星稜も林和成監督が率いて初の甲子園。山下名誉監督の長男・智将氏は部長でベンチに入る。強監督と「2世同士」がそろっての甲子園出場に「縁があるのかな」と感慨深げだった。

 星稜はノックや打撃練習など攻守にバランスよく30分間の時間を使った。34年前の名勝負は敗れている。だからこそ、林監督は「できれば上の方でやりたい。(星稜は)負けて球史に名を残してきた。勝って歴史に残るゲームをしたい」という。もし世紀をまたぐ「伝説の第二章」が訪れるのなら、必ず星稜を勝利に導く決意をみせた。5日の抽選。両校の主将に視線が集まる。

 ▽第61回大会3回戦 (79年8月16日 甲子園)
星稜
000 100 000 001 000 100 ―3
000 100 000 001 000 101X―4
箕島

 4回に星稜が先制も直後に箕島が同点。そのまま延長戦に突入した。12回に星稜が敵失で1点を勝ち越すが、その裏2死から箕島・嶋田が左翼ラッキーゾーンに同点ソロ。16回に星稜・山下の適時打で再び勝ち越し。その裏の箕島は簡単に2死になり、森川が一塁側ファウルゾーンに飛球を打ち上げたが、一塁手の加藤が転倒して捕球できず。その森川が左中間に同点ソロを放った。引き分け再試合目前の18回裏、上野の左前サヨナラ打で箕島が勝利した。

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