巨人 中井V弾!4日にも原政権下最速マジック43点灯

[ 2013年8月4日 06:00 ]

<巨・神>7回無死、勝ち越しソロを放った中井は笑顔でガッツポーズ

セ・リーグ 巨人4-3阪神

(8月3日 東京D)
 さあ、4日にも優勝マジックだ!首位・巨人は3日、2位・阪神に逆転勝ちし、ゲーム差を再び7・5に広げた。同点の7回に中井大介内野手(23)が決勝の4号ソロ。売り出し中の若武者が勝負強さを見せつけた。相手エースの能見篤史投手(34)に3本塁打を浴びせて、東京ドームでの同カード連敗も5でストップ。4日に阪神に勝てば、原辰徳監督(55)政権下では最速となる優勝マジック43が点灯する。

 若武者の放った力強い打球は最後まで衰えなかった。黄色に染まった虎党が陣取る左翼席へ一直線。中井が試合を決めた。同点の7回、仕留めたのは相手エース・能見のチェンジアップ。「本物」の一振りでマジック点灯に王手をかけた。

 「以前だとあそこでドライブして打球が沈むようなインパクトだった。正直届くかな、と。それがあのまま伸びていった。以前と今の違いが出た本塁打だと思います」

 胸を張る決勝の4号ソロは、これぞ中井という弾道。高い放物線でも、低空のライナーでもない。伸び盛りの新芽のように力強く一直線に伸びる。原監督も「強い打球が打てる、うちにはいないタイプ。腕っ節の強さというかね。長野でもないし、坂本でも、村田でもない。巨人として大きな武器が参戦してくれたなと感じます」と23歳のスラッガーにしかない魅力を口にした。

 何が以前との違いなのか。中井は「ボールの下に、しっかりバットが上から、きれいにいい角度で入ったからだと思う」と説明した。昨オフの台湾でのウインターリーグに阪神、中日など6球団混成チームで参戦。他球団のコーチから「おまえは長距離じゃなく、中距離打者」と指導を受けた。その言葉に触発され「ライナーで左中間、右中間を抜く強い打球が打ちたい」とアッパースイングではなく、上から叩きつぶすフォームへ変革。キャンプ、シーズン序盤でも原監督ら首脳陣に同じ言葉で教えられた。理想の弾道に少し角度が付けば、ミサイル弾がスタンドへ突き刺さる。

 6月11日には寝坊で練習に遅刻し、即2軍落ち。そこから自力ではい上がったが、同25日の1軍復帰後は打席に入る際のテーマ曲を先輩たちにいじられ続けた。SPEEDの「Wake Me Up!」や「慎吾ママのおはロック」など寝坊をいじるものばかり。「そうしていただけるのもチームの一員になった感じはします」と苦笑の中井。それがこの日は初めて、先輩の手が入らず本来のレパートリーが流れた。後半戦8勝中3度の決勝打はチーム最多。もう「いじられ役」ではない。

 4日は菅野と同じドラフト1位の藤浪が投げ合う。原監督は「まだまだ先は長いですし、あすになればまたあした。お互い若武者の2人。いい投げ合いになり、点数を取れるように戦っていきたい」と一戦必勝を強調した。新戦力という追い風も受け、リーグ2連覇という輪郭が色濃くなってきた。

 ▽中井のテーマ曲 昨季まで打席に入る際はMY LITTLE LOVERの「Hello’Again」を使用。今季は1番打者での起用が続いた7月に、奇数打席をSMAPの「ダイナマイト」、偶数打席を「Hello’Again」に変えた。「1番打者の最初の打席なので勢いのある曲がいいなと。同じ“ナカイ”さんのいるSMAPにしました」と説明している。

 ≪7月以降に3本の殊勲弾は中井だけ≫中井(巨)が7回に勝ち越しの4号ソロ。今季先制、同点、勝ち越し、逆転の殊勲アーチは3本目になるが、全て7月以降。巨人で7月以降に3本の殊勲弾は中井だけだ。また7月以降、殊勲安打も5本マークしており、村田の6本に次ぐチーム2位と価値ある安打が目立つ。巨人は4日に阪神に勝てば、原監督政権下では最速となる優勝マジック43が点灯する。巨人が8月上旬にマジックを点灯させたのは90年の8月3日が最後。原監督指揮下では02年の8月13日が最速だが、4日に記録更新なるか。

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