仙台育英 0―5から逆転サヨナラ切符!上林は2戦連発

[ 2013年8月1日 06:00 ]

<仙台育英・柴田>9回、押し出し四球で甲子園出場を決め、喜ぶ仙台育英ナイン

宮城決勝 仙台育英6―5柴田

(7月31日 Kスタ宮城)
 第95回全国高校野球選手権大会の地方大会は31日、宮城と愛知で決勝を行い、宮城では今春センバツ8強の仙台育英が柴田に6―5でサヨナラ勝ちし、2年連続24度目の出場を決めた。愛知は愛工大名電が愛知黎明を2―1で下して2年連続11度目の代表となり、8日に開幕する大会の全49代表校が出そろった。組み合わせ抽選は5日に行われる。

 試合途中で涙があふれた。8回。1点差に迫る、高校通算23号となる右越えソロ本塁打を放った仙台育英の4番・上林はベンチで思わず泣いた。追いついたわけでも、逆転したわけでもない。ただ、確信した。

 「これでいけると思った。(8回の)守備に就いているときから、本塁打を打てる気がしていた。負けるイメージはできなかった」

 初回に柴田に5点を先制され、「いらいらしてしまった」という上林。その中で、佐々木順一朗監督の言葉を思い出した。7月16日の塩釜との初戦を前に、指揮官は今大会のテーマとして「慌てず 焦らず 諦めず」を掲げた。「3A」。その言葉を胸に、自分を落ち着かせて打席に立った。4回にはヘッドスライディングで先制点につながる二塁内野安打。5回2死満塁では右翼線に2点適時打を放っていた。

 準々決勝まで打率・357ながらも一発はなく、佐々木監督から「体全体を使って打たない方がいい」と助言をもらった。そして、右足を上げない「すり足打法」に修正。前日の準決勝・聖和学園戦で今夏1号の2ランを放つと、決勝でも2戦連発となった。

 9回2死満塁から押し出しの四球でサヨナラ勝ちし、3季連続の甲子園出場。今春は2回戦・創成館(長崎)戦でイチローばりにワンバウンド投球を適時二塁打して話題をさらったが、昨夏の3回戦・作新学院(栃木)戦では自らの失策で敗れている。「苦しい試合に勝てて良かった。甲子園ではいい場面で打ちたい。必ず優勝して帰ってきたい」。プロ注目のスラッガーは東北に初の優勝旗を持ち帰ることを約束した。

 ▼楽天・上岡良一スカウト 足が速くて自分の打撃ができる。勝負強くて大事なところで結果を残せる。

 ▼巨人・橋本(09年卒)頑張ってもらいたいですね。高校野球は勝った、負けたというより野球以外で成長できる時間でした。(差し入れは)手袋か何か練習で使えるものを送ろうと思っています。

 ◆上林 誠知(うえばやし・せいじ)1995年(平7)8月1日、埼玉県生まれの18歳。小1から野球を始め、土合中では浦和シニアに所属して3年時に全国大会優勝。仙台育英では1年秋から4番を務め、昨夏と今春に甲子園出場。1メートル84、80キロ。右投げ左打ち。

 ◆仙台育英(宮城)駅伝やサッカーも強豪。OBにヤクルトの由規。

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