中村 粘り勝ち16球&V打 苦手ダック“攻略”

[ 2013年7月26日 06:00 ]

<ソ・楽>7回1死二塁、左越え適時二塁打を放った中村は一気に三塁を狙うもアウト

パ・リーグ ソフトバンク5-2楽天

(7月25日 ヤフオクD)
 爽快な眺めだった。360度、見渡すかぎりの紫だ。無料配布された「ガッツパープル」のユニホーム。同点とした7回1死二塁。楽天・金刃の外角137キロ直球を左翼線へ決勝2点二塁打を放ったソフトバンク・中村はお立ち台で声を張った。

 「ファンの皆さんの応援が、どれだけ力になるか分かりました」。今季初めてヤフオクドームで開催された恒例のイベント「鷹の祭典」。ファンに後押しされて戦った。

 粘り勝ちだ。相手は過去4戦4敗だった苦手右腕ダックワース。1番・中村は初回無死、結果は遊ゴロに倒れたものの、カウント2ボール2ストライクから2球ファウルで粘り7球を投じさせた。5回2死で巡ってきた第3打席も同じく、ファウル3球を含む7球を投げさせた。3打席合わせて16球。6回1失点と打ち崩すことはできなかったが、今季3試合とも7回を投げていた相手を1イニング早く降板させることで、逆転勝利のきっかけをつくった。

 「2ストライクを取られた時点でそれ(粘り)は1番としての役割だと思っている」。今季からフリー打撃ではタイミングの合わないボールをわざと、打撃ケージ横のネットに当てる「ファウル」の練習も入れる。「練習では飛ばすことは考えない。その日、対戦する投手をどう打つかを考えてやっています」。規定打席にはまだまだ不足するが、打率・317に対し、出塁率・407は粘りの勲章である。

 連敗を3で止めた。たった1日で最下位脱出だ。秋山監督は「きのうの逆という感じだな」と前夜、4失策で逆転負けした悪夢を引き合いに出して振り返った。勝利を信じ、粘ることの大切さ。それを中村のバットが証明した白星だった。

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2013年7月26日のニュース