阿部 東京ドーム“キング弾” ガッツに並んだ歴代最多175本目

[ 2013年7月25日 06:00 ]

<巨・広>7回2死一塁、右越えに2ランを放つ阿部

セ・リーグ 巨人8-4広島

(7月24日 東京D)
 巨人得意の空中戦。トリはやはり4番・阿部だ。2点差に迫られて迎えた7回2死一塁。1ボール1ストライクから菊地原が投じた真ん中低めのカットボールをいとも簡単に右翼席に運んだ。

 「簡単なコースではなかったとは思うけど、完璧に捉えられたよ」

 初球、外角低めへのボール気味の球に豪快な空振りをみせた。「狙っていい場面だったからね。状況が分かっていたので冷静だった」。それまでの全5得点は、長野、坂本、高橋由の本塁打で挙げていた。日頃から「本塁打は狙ったら打てない。どれだけ振りすぎないか」と繰り返す男が、1試合4発の「花火大会」を締めるべく狙った。

 この一発で阿部自身、東京ドームでは通算175本塁打。同僚の小笠原(日本ハムで95本、巨人で80本)に並び、歴代最多となった。東京ドームが開場した88年、阿部はまだ小学校4年生。「子供の頃は神宮球場で野球を見ることの方が多かった。捕手のリードについて教わったりね」。まだ通過点だが、原監督が、松井秀喜が、高橋由が東京ドームで紡いできた歴史の頂点に立った。

 22日まで長野、坂本らと参加していた球宴では3試合で両軍とも本塁打ゼロ。これは60年ぶりの珍事だった。「極端に言えば、三振か本塁打くらいで思い切り狙っていきたい」と夢舞台に臨んだ阿部もアーチは描けず、本塁打競争でも敗れた。22日の第3戦(いわき)では8回2死一塁から代打で登場。左翼ポールをかすめ、わずか5メートル左へそれる大ファウルを放ち「惜しかったね」と悔やんだばかりだった。そのうっぷんを晴らすように、17日ぶりに帰ってきた東京ドームで一発を放った。

 「いいところで効果的に、よく本塁打が出てくれた」と原監督。チームは両リーグ通じて50勝一番乗り。夏の終わりを告げる8月末まで東京ドームでまだ18試合もある。

 ≪33年ぶり3度目≫巨人は4本塁打の一発攻勢で広島に勝利。巨人が後半戦開幕試合に4本塁打は53、80年に並ぶ33年ぶり3度目の最多タイになった。4回2号ソロの高橋由は03年以来10年ぶり通算4本目の後半戦開幕アーチ。巨人の打者で4本以上は王の8本に次いで2人目だ。また、7回には阿部が今季東京ドームで11本目となる24号。これで同球場の通算本塁打は175本。小笠原(巨)と並ぶ最多タイに進出した。なお、巨人の東京ドーム通算本塁打は1991本。区切りの2000本にあと9本に迫った。

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2013年7月25日のニュース