ロッテ 加藤 初球打ち“再現”MVP弾 プロ初打席初球アーチ男さく裂

[ 2013年7月19日 06:00 ]

<全ウ・全イ>6回2死二塁、先制の右越え2ランを放つ加藤

フレッシュオールスターゲーム2013 全イ7―1全ウ

(7月18日 秋田)
 若手選手によるフレッシュオールスターゲームは18日、秋田県立野球場で行われ、イースタン・リーグ選抜が7―1でウエスタン・リーグ選抜に大勝。今季、プロ初打席初球アーチという離れ業を演じたロッテのルーキー加藤翔平外野手(22)が6回の先制2ランを含む3安打と活躍し、最優秀選手に選ばれた。通算成績はイースタン選抜の18勝27敗5分けとなった。

 この「翔平」も何か持っている。MVPの賞金100万円のボードを掲げた加藤。「レクサスのRX(500万円相当)が欲しいと思っていたので、足しにしたいと思います」。これまで合宿所のあるさいたま市から電車で球場に通うこともあったルーキーは笑った。

 0―0で迎えた6回2死二塁。戸田亮の速球だけを待っていた。147キロの内寄り速球を振り抜くと、すぐに右手人さし指を突き上げた。右越え先制2ランに続き、8回は技ありの左前打、9回にも右前打の猛打賞。試合前から「一番目立つ活躍をします」と話した22歳は、自身の手で、MVPを引き寄せてみせた。

 父の声がまた快挙を呼んだ。5月12日の楽天戦(QVCマリン)で「プロ初打席初球アーチ」という新人野手史上初の快挙をやってのけた。父・正さん(59)から「長嶋さんのデビュー戦みたいに思い切り振ってこい」の言葉を胸に振り抜いた。そして、前日のソフトバンク戦後。今度は「構えが小さくなっている。大きくしろ」との言葉を受けた。この日も球場に足を運んだ父の前で肩の力を抜き、背筋を少しだけ伸ばした。伊東監督から言われ続けた「初球から行け!」の言葉も胸に刻んだ初球打ちだ。

 1メートル83の長身ながら50メートル5秒9の俊足を誇る両打ちの大型外野手。鮮烈デビューを飾ったが、その2週間後に2軍降格。打撃フォームを改造した。テークバックで背中方向に引きすぎる悪癖を矯正するため、構えからバットを胸の前に置いた。「自然に捕手方向に真っすぐ引くバスターの感覚で打つため」だった。

 今月7日に1軍再昇格。「きょうのイメージを忘れず、ハツラツプレーでチームを盛り上げたい」。加藤が、後半戦で逆転Vを狙うロッテの起爆剤となる。

 ◆加藤 翔平(かとう・しょうへい)1991年(平3)3月28日、埼玉県加須市生まれの22歳。小学校2年生から野球を始め、中学時代は加須シニアに所属。春日部東1年から両打ちに転向したが、甲子園出場はなし。上武大では1年春からレギュラーに定着。3年春から3季連続でベストナインを獲得。12年ドラフト4位でロッテに入団。5月12日の楽天戦(QVCマリン)で1軍初出場し、3回のプロ初打席で史上初のプロ初球本塁打を放った。1メートル83、84キロ。右投げ両打ち。

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