JX―ENEOS 石川 150メートル弾 初出場で2発

[ 2013年7月19日 06:00 ]

<JX-ENEOS・JR北海道>2回無死一、二塁、本塁打を放った石川(右)はナインの出迎えを受ける

第84回都市対抗野球3回戦 JX―ENEOS8―5JR北海道

(7月18日 東京ドーム)
 衝撃の2発だ。2回戦3試合が行われ、51年ぶりの連覇を狙うJX―ENEOS(横浜市)は今大会初出場の新人、石川駿内野手(23)が2回に3ラン、8回にもソロ本塁打を放ち、JR北海道(札幌市)を8―5で下し、8強一番乗りを決めた。また東京ガス(東京都)と東芝(川崎市)も準々決勝に進出した。19日も2回戦3試合が行われる。

 規格外の一発だった。2点を追う2回無死一、二塁。石川の打球は左翼3階席で弾んだ。飛距離150メートル。プロでもめったに見られない超特大弾にスタンドはどよめいた。

 石川にとっては東京ドーム初打席。大久保秀昭監督から「普通ならバント(の場面)だけど、おまえを使った意味を分かってるな。バックスクリーンにぶち込んでこい!」と耳打ちされ、期待以上の答えを出した。「打った場所は監督に言われたのと違ったけど、結果が出て良かった」。これだけで終わらない。2点差に迫られた8回には今大会12回1/3連続無失点中だった好投手・戸田のフォークを捉え、左翼席中段にダメ押しソロアーチをぶち込んだ。

 北大津時代は高校通算49本塁打。プロ注目のスラッガーだった。3年春の08年センバツ、横浜との2回戦で大会通算600号を放ち、感想を求められると「僕、まだ(高校通算)30何本ですけど」と真顔で答える天然キャラでもある。ただ同年夏の滋賀大会は初戦で死球を受け左手首を骨折。進学した明大でも故障が続き、リーグ戦の出場は4年生になってからと遅咲きだった。

 今大会直前のオープン戦では3ボールから「待て」のサインを見落として右直。大久保監督に「こんな選手初めてだ。野球をなめるな!!」と激怒され、1回戦は出番なし。汚名返上の2発に、同監督も「きょうは石川に尽きる」と目を細めた。

 「自分が入って“弱くなった”とか“勝てなくなった”とか言われたくない」と石川。連覇を狙うチームには何とも頼もしい新人だ。

 ◆石川 駿(いしかわ・しゅん)1990年(平2)5月26日、滋賀県草津市生まれの23歳。小2から野球を始める。北大津では1年夏からレギュラー、2年春から4番で2、3年時のセンバツに出場。高校通算49本塁打。明大では4年春からリーグ戦20試合に出場、打率・303、2本塁打、13打点。今春、JX―ENEOS入社。家族は両親と兄、弟。1メートル78、81キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2013年7月19日のニュース