高田 3年ぶり夏2勝!陸前高田市の話題“独占”

[ 2013年7月16日 06:00 ]

<高田・一関二>ベンチ前でナインに指示を出す伊藤監督(左)

岩手大会2回戦 高田9―4一関二

(7月15日)
 一歩、そしてまた一歩。一関二を終盤に突き放して今夏2勝目を挙げた高田高校・伊藤貴樹(たかき)監督は「(中盤まで)負けパターンの中、勝ち切れたことはよかった。今後は一戦一戦、自分たちの野球ができるかが鍵」と表情を緩めることなく話した。

 1回戦の盛岡中央戦と合わせ、2試合で計20点。1イニング当たりの失点は、1、2回戦通じ、最多で2だ。復活した打線、大量失点しない粘り強さが連勝の原動力だ。7回に決勝の左前適時打を放った山口は「来た球を強く振った。でもまだまだ」と言うが、8回にダメ押しの走者一掃二塁打を放ち1回戦に続くヒーローになった。

 東日本大震災後、初めて夏に勝利した。それから陸前高田市は、高田高校野球部の話題で持ちきりだ。仮設住宅の集会場で、プレハブの居酒屋で、誰もが語り合う。地元のFM局でもナインの活躍が紹介された。地元の期待を背負って戦うが、彼らはまず自分たちのために勝利を目指している。

 3回戦は伊藤監督が昨年3月まで部長を務めていた盛岡一。「格上の盛岡一と戦えることに感謝したい」と謙虚だが、古巣を下すことができれば、09、10年に並ぶ夏3勝だ。だが、それが目標ではない。甲子園への長い道。まだ歩き続ける。

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