松井氏 軽口全開ゴキゲン“現場復帰”「5・5暴投の反省込めて」

[ 2013年7月8日 06:00 ]

1Aの選手相手に打撃投手を務めた松井氏

 ヤンキースなどでプレーし、昨季限りで現役を引退した松井秀喜氏(39)が6日(日本時間7日)、ヤ軍傘下1Aスタテンアイランドの練習に参加し、打撃投手を務めた。レイズ時代の昨年7月以来となる「現場復帰」を果たした松井氏は、練習参加の理由を「太りたくないから」「5月5日に暴投した反省」などと語り、詰めかけた報道陣を笑わせた。8、9日(同9、10日)にも練習に参加し、28日(同29日)には、ヤンキースタジアムで引退セレモニーが行われる。

 普段は人けのない1Aスタテンアイランドの練習に、詰めかけた報道陣は約50人。目当ては日米通算507本塁打の打撃投手だ。日米のメディアに囲まれた松井氏は「懐かしいなあ。こういう感じ」としみじみ話した。

 気温35度の猛暑の中、球団のTシャツ、短パン姿で防球ネットの前に立った。「野球をやめて太りたくないので。一番の目的はそこですよ」と冗談めかしつつ、初日から10分間で120球の熱投。球速は推定50キロ程度ながら、9割以上がストライク。空振りも1つ奪うおまけ付きだった。

 準備は前日に軽くキャッチボールした程度だといい「あした、朝起きてそこ(筋肉痛など)が問題ですね」と苦笑い。国民栄誉賞授与式後、長嶋茂雄氏のインハイに投じた始球式を自虐的に振り返り「5月5日は暴投だったので、その反省を込め、練習しないと」と今後への意欲を見せた。

 シーズン前にヤ軍のブライアン・キャッシュマンGMと話し合い、マイナーで練習の補佐役を務めることを快諾。球団での肩書はないが、継続的に練習に参加し、若手育成をサポートする。「ノックしたことはないので、できないと思います」とまさかの告白も飛び出したが、登板前には外野での練習も手伝うなど精力的だった。

 近況については「普通の生活をしています。基本的にはリラックスしています」と話した。マンハッタンの自宅から運転してきた愛車の後部座席には、3月に生まれた愛息用のチャイルドシートも取り付けられていた。現在は、あくまで将来的な指導者就任への準備期間。とはいえ、「これだけ太陽の光に当たったのも久しぶりですし、いいですよ」と話す顔は、やはり野球人のそれだった。

 ▽松井氏の5・5始球式 打席に迎えた恩師の巨人・長嶋茂雄終身名誉監督は打ち気満々だったが、投球は内角高めのボール球。松井氏は頭を抱え、会見では「監督にインハイを打たないといけないと練習させられてきた。だから同じところへ投げた」とジョークを交えて弁明しつつ「実はもう1球投げたかった」と本音を漏らした。

 ▽スタテンアイランド マンハッタン島の南端からフェリーで約25分の距離にあるニューヨーク州内の島。ブルックリンやニュージャージー州からは橋を渡って車で行くこともできる。島の北端に本拠を置くスタテンアイランド・ヤンキースは1999年に誕生。このチームを経由して初めてメジャーに昇格したのが、02年にレッズでデビューした現ソフトバンクのペーニャ。現在のヤ軍ではカノが01~02年に在籍経験がある。

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