生命線の内角攻め光った!小川2度目完封勝利

[ 2013年7月7日 06:00 ]

<中・ヤ>2度目の完封を決め、ナインに祝福される小川(左から3人目)

セ・リーグ ヤクルト4-0中日

(7月6日 ナゴヤD)
 容赦なく懐をえぐった。4―0の7回。無死満塁のピンチを招いてもヤクルトの小川は顔色一つ変えなかった。

 「意思のない球は打たれると思った」

 平田を空振り三振に仕留めると、谷繁に対して外角に3球カットボールを続けて1ボール2ストライクと追い込む。最後は一転して内角のシュートで中飛。続く井端もシュートで二ゴロに打ち取った。死球でも1点を取られる緊迫した場面で、両ベテランの内角を正確に突いた。

 1メートル71と小柄な小川にとって内角攻めは生命線。ただやみくもに投げるわけではない。ここまで92イニングで与えた死球はわずか1。この日、スタンドで試合を見守った成章(愛知)時代の監督・糟谷寛文さん(62)は「内角攻めで生き残るしかなかった」と振り返る。高校時代の最速は138キロ。同学年には3人の投手がいた。小川はエースになるために、本塁ベースと打席の内側のラインとの間に捕手を構えさせ、制球力を磨いた。

 負ければ今季ワーストの借金16となる試合で、今季2度目の完封勝利。球宴選出後初の登板でオールスター戦士の名に恥じない快投を見せた。新人の2完封は、球団では93年の伊藤智(現投手コーチ)以来、20年ぶり。2桁勝利にもリーチをかけた。「油断することなく最高のパフォーマンスをしたい」。球宴まで登板機会はあと1試合。真夏の祭典に「2桁」の看板を引っさげて乗り込む可能性は残されている。

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2013年7月7日のニュース