大竹 球宴まで全勝ノルマ「自信を持って出るために」

[ 2013年7月2日 06:00 ]

オールスターに監督推薦で選出された大竹

 「マツダオールスターゲーム2013」の監督推薦選手が1日に発表され、広島から大竹寛投手(30)が選出された。カムバック賞を獲得した昨季に続く2年連続4回目の出場。右腕は球宴に気持ちよく臨むべく、前半戦に予定される登板2試合の全勝を自らにノルマとして課し、大舞台での快投も同時に誓った。

 2年連続での監督推薦による球宴出場。4度目の大舞台を踏む大竹は、喜びの言葉の中にも複雑な思いをちりばめた。

 「選んでいただいたのは光栄だし、感謝しています。ただ、6月は1回も勝っていない。正直、複雑な思いもあります」

 今季はここまで12試合に先発し、5勝4敗、防御率2・89。本人の弁にあるように、5月22日の西武戦(西武ドーム)で5勝目を挙げて以降、5試合にわたって勝利から遠ざかる。それが球宴出場の朗報を手放しで喜べない原因だった。その上で右腕は言った。

 「成績をオールスターまでに上げて行きたい。(自分自身に)納得というか、自信を持って出るために、成績を残したいと思っています」

 足踏みした状態のままでは球宴に出られない。前半戦に予定される大竹の登板は、6日の阪神戦(マツダ)と13日のヤクルト戦(神宮)。この2試合に勝って、胸を張って参戦したい。自らに課す厳しいノルマは、右腕の矜持(きょうじ)とプライドの証しだった。

 球宴には08、09、12年に出場。防御率2・84ながら、勝敗はついていない。が、大竹の個人史を語るのに、開場元年のマツダスタジアムで先発した、09年のファン投票選出は外せない。昨夏はまた、右肩痛など相次ぐ故障を乗り越えて参戦。内外に復活を印象づけた。

 「2年間ケガで投げていなかったので、去年は本当に嬉しかった。夢のような時間でした。ただ打たれて点を取られたので、今年は抑えたい」

 右腕の登場は盛岡であった7月23日の第3戦。2番手として3回途中から登板し、続く4回に日ハム・中田らにタイムリーを打たれて2点を失った。今夏はそのリベンジの舞台でもある。

 「ボクはこれといって華もないので、しっかりストライクゾーンに投げて、少ない球数で抑えられたら…と思います」

 勝利から遠ざかる公式戦ではここ数試合、制球に苦しむケースが少なくない。自分の当面の課題を念頭に置き、球宴に結びつけるあたりがまた大竹らしい。ノルマを達成する好投と、大舞台での快投に期待しよう。

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2013年7月2日のニュース