高橋信 代打逆転サヨナラ打 打席譲った山本に気遣い「スマンな」

[ 2013年6月29日 06:00 ]

<オ・楽>9回、代打で逆転サヨナラ打を放ちバンザイをして喜ぶ高橋信

パ・リーグ オリックス3-2楽天

(6月28日 京セラD)
 野球は2アウトからという格言がある。9回、1点ビハインドの1死満塁でT―岡田が三振に倒れたが、オリックスは代打・高橋信がドラマのように鳥肌の立つ逆転サヨナラ劇に仕立ててみせた。今季2度目の劇勝だ。

 「(楽天・則本が)いい真っすぐを投げていたので、力負けだけはしたくなかった」

 初球、高め150キロのボール球を空振り。2球目の151キロは同じ高めの外寄りだった。コンパクトに捉えた打球は浅めに守っていた右翼手の頭上を抜けていった。

 苦しすぎる試合展開だった。楽天ルーキー右腕の前に8回まで3安打。わずか1点差ではあったが、ベンチは重苦しいムードに包まれていた。高橋信は投手戦を予想し、いつもより早めの5回あたりから準備をしていた。「ベンチでしっかり(投球を)見ていたのがよかったのかもしれませんね」

 起用した森脇監督はベテランの勝負強さに最敬礼。「状況に応じたバッティングだった。やはりキャリアかな」。3連敗、借金4になる窮地をひと振りでしのいだ一撃を喜んだ。

 豪快な言動のイメージがある裏で、高橋信の気配りも見逃せない。代打で打席を譲った格好になった山本に「いつもスマンな」と試合後に声をかけた。「悔しい思いは分かりますから。代わりたい選手なんていない」。スポットライトの当たらなかった選手の気持ちをくみ取れる熱い思いに、勝利の女神がほほえんでくれた。

 ▼オリックス・森脇監督(逆転サヨナラ打の高橋信について)状況に応じたバッティングだった。やはりキャリアかな。

 ▼オリックス・T―岡田(約1カ月半ぶりに1軍昇格も4打数無安打3三振)きょうはシンジさん(高橋)にケツをふいてもらいました。

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