広島　自力Ｖ消滅　拙守連発、好投の武内報われず

＜神・広＞８回１死一、二塁、大和の送りバントでミコライオが二塁へ送球も安部（右）が落球

セ・リーグ 広島４－７阪神

（6月28日 甲子園）
　目の前で悪夢は繰り広げられた。プロ２度目の先発で７回２安打１失点と十分な働きを見せた広島・武内は、ベンチ最後列で戦況を見届けていた。だが、念願のプロ初勝利は野手陣の拙守連発によって幻に終わり、チームの自力優勝も消滅した。

　「チームとして勝ちたい思いだった。１軍で１勝を挙げるのは、そう簡単なことではないということが分かりました」

　７回まで試合の主役を演じた。最速１４５キロの直球は適度に荒れ、スライダーやカーブを交ぜて６回まで無安打投球。７回に１点を失ったが、十分な結果だった。

　０９年ドラフト３位で入団した当初は抑えとしての期待が高く、本人も佐々木主浩氏（元横浜、マリナーズ）を目指してグラブに「大魔神」と刺しゅうを入れたほど。だが、過去３年で１軍登板はわずか５試合。今季から先発で再起に出た。

　８回に続いたミスに、野村監督は「どうしたら勝てるんだ、ということが分かってない。情けない…」と厳しい表情を見せた。痛恨の１敗。４年目右腕の好投だけが、今後への光明だった。