二刀流は安打放った直後の回が“危険” 防御率5点台に悪化 

[ 2013年6月25日 09:08 ]

今季セの規定投球回到達者16人の中で唯一打率2割を超えているDeNA・三嶋

 日本ハムの新人・大谷翔平投手(18)の「二刀流」が注目を集めている。だが、投手が打席に立つのは、セ・リーグではもともと日常的な光景だ。投手と打撃の両立は実際どのくらい難しいのか、最近のセの「二刀流」事情を探る。

 今季、セ投手の打撃成績合計は571打数50安打、打率・088。ここ3年間は全体で打率1割を切っている。その事実だけでも、打率3割以上をキープしている大谷の非凡さが分かる。

 特に先発投手はシーズンを通して打席に立つ回数が多い。今季セの規定投球回到達者16人中、打率2割を超えているのは、・222の新人・三嶋(DeNA)だけだ。最近5年間でも、打率2割以上は他に09年ゴンザレス(巨人)と12年の石川(ヤクルト)のみ。ここ数年、打者として相手の脅威となった先発投手はほとんどいない。

 18日の広島戦で初めて投打両方でプレーした大谷は、打席で二塁打した直後の2回、先頭の松山に本塁打を浴びた。では実際、投手が打撃に力を使うと、投球に影響はあるのだろうか。今季セの先発投手が自ら安打を放った直後の回の投球内容を見ると、計46イニングで失点29(自責点28)。防御率に換算すると5・48となる。リーグの平均防御率は3・69だから、やはり打たれる確率は上がっている。

 それでも、投手が打てば気分良くマウンドに戻れる側面もあるし、打たれた相手には精神的なダメージが残る。今季安打を記録した試合の先発投手勝敗を合計すると、23勝10敗の勝率・697とかなり高い。二刀流はもろ刃の剣で、打った直後の失点をいかに防ぐかが重要といえる。

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2013年6月25日のニュース