ソフトB「つながるエリア」下位打線に拡大 脇役が火つけた

[ 2013年6月23日 06:00 ]

<楽・ソ>5回1死、右越え二塁打を放つ今宮

パ・リーグ ソフトバンク8-2楽天

(6月22日 Kスタ宮城)
 今度は脇役陣の出番だ。ソフトバンクは22日、先発全員の15安打8得点で楽天に連勝。交流戦中は絶不調だった今宮健太内野手(21)が先制の4号ソロなど2安打とトンネルを抜ければ、決勝打の中村晃外野手(23)、本多雄一内野手(28)の1、2番コンビも2安打と気を吐いた。これで首位ロッテと1ゲーム差に急接近。2年ぶりの交流戦優勝で勢いづいたチームを、絶好調の打線が再加速させる。

 「つながる」エリアは下位打線へと拡大した。

 12球団トップのチーム打率・289で2年ぶり4度目の交流戦Vに貢献した打線の中、今宮は規定打席到達者で最低の打率・209と蚊帳の外だった。その男がリーグ戦再開から止まらない。プロ入り初の1試合4安打と爆発した21日に続き、この日も5月26日ヤクルト戦(神宮)以来、16戦ぶりの4号ソロなど、2安打と奮闘した。

 「手打ちの悪い癖がなくなっている。これを継続してやりたい」

 2試合連続のマルチ安打で打率は・228まで急上昇。リーグ戦再開までの4日間、フォーム矯正に着手した成果が実りつつある。全体練習終了後、秋山監督ら首脳陣が見守る中、居残りでティー打撃を行い、内角球に左脇が上がる癖を修正。「脇を締めたまま(肘を)折りたためるようになった」と藤本打撃コーチも目を細めた。

 脇役の活躍は今宮だけにとどまらなかった。同点の5回1死、今宮の右越え二塁打でつかんだ1死一、三塁の好機には2打席目まで凡退していた中村が中前へ決勝タイムリー。「(2打席目まで)高めのカットボールに手を出している。ベルトより下を狙え」と秋山監督の助言を藤本コーチから伝えられ、生かした一打だった。

 なお、5回1死一、二塁。5月2日の西武戦(ヤフオクドーム)で打率・186まで落ち込み、交流戦は福元、李杜軒(リートゥーシェン)に定位置を譲った本多が意地を見せた。「晃(中村)が低めを打ったから、上から叩くことを意識した」と高めの143キロ直球にバットを振り下ろし、右翼線適時二塁打と畳みかける。内川、松田、長谷川だけではない。8得点中6点まで、クリーンアップ以外の選手で稼いだ。

 中村へのアドバイスの質問をされた秋山監督は、黙ったまま、右手の親指を上げた。表情には手応え十分の笑みが浮かぶ。チームを代表してヒーローインタビューを受けた中村が高らかに宣言した。「みんな調子がいいので、たくさん打席が回ってくるのが楽しいです」。首位・ロッテが敗れ、その差は1ゲームと肉薄した。打線の「圏外」が消えつつある。そしてチームは2年ぶりの頂点へ「圏内」へと足を踏み入れた。

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2013年6月23日のニュース