統一球情報隠し“損害賠償”の可能性も…日大・板倉名誉教授

[ 2013年6月13日 08:29 ]

厳しい表情で会見する加藤コミッショナー

統一球問題

 プロ野球を統括する立場のNPBが、労働環境に関わる「ボール」についての事実を隠蔽(いんぺい)していたとも取られる事態。何らかの法的措置を迫られるのか。

 日大の板倉宏名誉教授(79=法律学)は「法的解釈は非常に難しい」とした上で、「契約に際して個人事業主である選手へ条件を十分に知らせていなかったわけですから、“契約の不完全履行”に当たる可能性があります」との見解を示した。

 近年、選手は球団と出来高払いを結ぶケースが増えており、投手の防御率、打者の本塁打数などに直結する球の飛距離は死活問題だ。選手会のある弁護士は「労働条件の変更にあたるので変更するなら報告義務がある。選手会への相談もなく、球を変えたとしたら大問題だ」と指摘。板倉名誉教授も「さらに強いて挙げれば“損害賠償”でしょうか」との可能性にも言及した。

 NPBではこの日、顧問弁護士も交えて協議が行われた。楽天の立花陽三球団社長は「(選手会から)リクエストがあれば、コミュニケーションは当然取ります。査定にまで踏み込むかは、話があれば対応しなくてはいけない」と明言。6代目選手会会長のヤクルト・宮本も「去年で辞めた選手で、もう1年できた選手もいるかもしれない。出来高でも、ホームラン打者ならこれぐらい、という線で結んだら、(ボールが変わって)その倍打つかもしれない。選手だけの問題じゃなく、球団経営にも影響が出てくる」との見解を示した。

続きを表示

2013年6月13日のニュース