故障後初ブルペン マエケン15日復帰へ好感触

[ 2013年6月11日 06:00 ]

15日からの日ハム戦での復帰へ向け、大野練習場で投球練習を再開した広島・前田健

 右脇腹痛で離脱中の広島・前田健太投手(25)が10日、廿日市市の大野練習場で9日ぶりに投球練習を再開した。コースを定め、全球種を投じた36球。11日には1軍に合流し、患部に異常がなければ15日の日本ハム戦(札幌ドーム)での復帰先発へ向け、調整を進める方針だ。エースは「大丈夫だと思う。軸として投げ、チームに勢いをつけたい」と意気込んだ。

 故障の影響を感じさせない投球だった。右脇腹痛で離脱後、初めて入ったブルペン。前田健はあらかじめ捕手に投球コースを口頭で伝えつつ、ワインドアップで14球、セットポジションで22球…の計36球、全球種を丁寧に投げ込んだ。

 「何球かは力を入れて投げたけど、感じは悪くなかった。違和感があれば明日もよくない。異常は出ないと思う。スンナリ入れると思います」

 明るい表情。試合前の投球練習さながらの気迫が、実戦復帰間近と感じさせる。大野練習場へ駆けつけ、エースの投球練習をつぶさに見つめた山内投手コーチも、安どの息をついていた。

 「本人から“よくなっている”と聞いていたけど、ひと安心。彼の場合はフォームどうこうじゃなく、体がどう感じるかだけ。反動がなければ登板準備をしてもらう」

 11日には1軍練習に合流。異常がなければチームに同行し、楽天戦(12、13日)のある仙台へ移動する。もっとも患部については当の本人が「大丈夫だと思う」と言っており、15日の日ハム戦復帰登板へ向けて予定通り、最終調整に入ることになりそうだ。

 右脇腹痛で1回途中6失点降板した1日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)。原因は蓄積疲労と古傷にあった。3軍の松原チーフトレーナーによると、右腕は左足が着地する際に突っ張るため足首に負担がかかり、左ハムストリングにも疲れがたまっていたという。

 「固まった筋肉をほぐし、運動療法で動かす提案をさせてもらった。継続してもらえば、長くいいパフォーマンスができると思う」と同トレーナー。右腕も「3軍でチェックとケアをしてもらって、すごくいい(休養)期間になった。もう出ないようにできると思う」と収穫を強調した。

 前田健の離脱前後に6連敗したチームは、その後3連勝と持ち直した。右腰を打撲したバリントンの動向は不透明だが、エースの復帰は心強い。本人も自覚十分だ。

 「先発が苦しくなってきているので、軸で投げられれば…。投球でチームに勢いをつけたい」

 巻き返しへ、右腕がスパートをかける。

続きを表示

2013年6月11日のニュース