決勝ホームにポロリ イチロー元本拠で沸かせた

[ 2013年6月11日 06:00 ]

<マリナーズ・ヤンキース>ファールフライを珍しくグラブの土手に当てて失策し、勢い余ってひっくり返るイチロー

ア・リーグ ヤンキース2―1マリナーズ

(6月9日 シアトル)
 ゲームセットの瞬間、ヤンキースのイチローは右翼の守備位置で後ろを振り向いた。そこには「イチメーター」と、製作者のエイミー・フランツさんがいる。左手を差し出して別れを告げた場面について、試合後は「そんなことを説明をするなんてヤボじゃないですか」とひと言。昨季途中まで本拠としていたセーフコ・フィールドでの今季最後のマリナーズ戦。3打数無安打に終わったが、それでも「イチロー劇場」だった。

 1―1の9回に先頭打者として四球で出塁。その後、2死二塁からスチュワートの左前打で生還した。「(止まる)チョイスはないですよ。あり得ない。行くだけです」。左翼手は前進守備、しかも球足の速い打球でありながら、スピードを一度も緩めることなく、三塁を最短距離で回って、最後は左手でベースを掃いてホームイン。2試合連続で決勝のホームを踏み、ジョー・ジラルディ監督も「(彼)ならではのプレー。素晴らしいとしか言いようがない」と称えた。

 7回にはファウルゾーンへの飛球をグラブに当てながら珍しく落球し、今季2個目の失策を記録。二塁手カノの姿が視界に入ったため、一瞬のちゅうちょがミスを生んだが、直後に起きた例えようのないどよめきには「嫌がらせでもない、悲しんでいるわけでもない。ここ(シアトル)っぽい感じがしたね」。懐かしい空気を吸い、雰囲気を楽しみ、イチローはシアトルを去った。

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