魅せた二刀流!マー君 開幕8連勝&プロ7年目初長打

[ 2013年6月10日 06:00 ]

<巨・楽>4回2死二塁、楽天・田中が右中間に適時二塁打を放つ

交流戦 楽天5-3巨人

(6月9日 東京D)
 オレも二刀流だ――。楽天・田中将大投手(24)が、9日の巨人戦でプロ初の長打を放った。4回に3年ぶりの安打となる右中間適時二塁打。打点も3年ぶりに記録した。投げては7回3安打無失点で、自己最多の開幕8連勝。昨季からの連勝も12に伸ばし交流戦通算20勝を挙げた。田中の投打にわたる活躍で、チームは首位・ロッテに2ゲーム差に肉薄。交流戦初優勝にも望みをつないだ。

 バットの感触が心地よかった。4回2死二塁。2球連続の空振りで追い込まれたが、田中は打ち気満々だった。「期待されてなかったと思うんですけど」。外角高め123キロのチェンジアップ。少し腰は引けたが、打球は見事に右中間を抜ける適時二塁打になった。

 貴重な5点目は自らのバットで、しかも侍ジャパンで同僚だった敵のエース・内海から奪った。二塁に達した田中は満面の笑みで自軍ベンチに向け、手のひらを押し出す「バーン」を初披露。安打を打った選手だけが行うチーム独特の歓喜のポーズで喜びを分かち合った。

 田中の安打は3年ぶり3本目で、適時打は2本目。長打はプロ初体験だが、打撃は嫌いではない。使用しているバットはチームで用意している投手陣兼用のものではなく、契約するアディダス社製でグリップエンドに背番号18が刻印された独自のバット。最近もKスタ宮城での打撃練習で、バスターから左翼席に打球を放り込み周囲を驚かせた。

 星野監督も「打つとは思わんかった」とほくそ笑んだが、本職でも進化を示した。初回こそ1死満塁のピンチを招いたが、ロペスを139キロのスライダーで三ゴロ併殺打で切り抜けると、7回までわずか1安打しか許さなかった。

 この日は全96球中、74%に当たる71球が変化球だった。シュート系は16%にあたる15球に及んだ。中でも阿部の第1打席に3球連続でシュート系を使うなど、左打者には9球を投じた。「見てもらったら分かる」と話していた本塁打が出やすい東京ドームに対応した外角中心の配球。今季最少タイの4奪三振にとどまったが、同い年の坂本の第3打席には2ボール2ストライクから「あまりやらないから意味がある」というクイックを披露。ボールにはなったが、あらゆる投球術を駆使して乗り切った。

 杉内(巨人)、和田(現オリオールズ)、涌井(西武)に続く史上4人目の交流戦通算20勝を達成。開幕から無傷の8連勝で、昨年8月から続く連勝も「12」に伸ばした。「きょうは大事な試合。何としても取りたかった」。これでチームは首位・ロッテに2ゲーム差に迫り、交流戦首位のソフトバンクとは0・5差だ。次回登板は中5日で15日の阪神戦(Kスタ宮城)が濃厚。チーム初タイトルとなる交流戦優勝へ向け、フル回転する。

 ▼巨人・坂本(6回の第3打席で田中にクイックで投げられ)知らなかった。ビックリしました。

 ≪球団最多を更新≫田中(楽)が7回無失点で今季無傷の8勝目。開幕8連勝は09年館山(ヤ=8連勝)以来で、楽天では同じく09年に自身と福盛がマークした開幕7連勝の球団最多を更新した。シーズン途中を含めた8連勝は、08年岩隈(2度)と並ぶ球団タイ記録(昨季からは12連勝)。これで交流戦4人目の通算20勝(6敗)にも到達した。この日は初回1死満塁のピンチでロペスを三ゴロ併殺。今季の満塁機は8打数無安打と完璧に抑えている。

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