「ダメなら代えるよ」…杉内 コーチの言葉で闘志に火 連敗止めた 

[ 2013年6月4日 06:00 ]

<西・巨>6回3失点で交流戦単独トップの23勝目を挙げた巨人・杉内

交流戦 巨人7-3西武

(6月3日 西武D)
 辛らつな言葉が巨人・杉内の本能に火をつけた。3点リードの5回2死一、二塁。マウンドで川口投手総合コーチから「ダメなら代えるよ」と背中を叩かれた。これで目が覚めると、栗山をこの日最速タイの138キロの内角直球で右飛に仕留めた。

 「僕から始まった連敗。気にしていたし、何とかしたかった」

 初回に先制してもらった直後に失点するなど、序盤は不安定だった。勝ち越した3回に再び同点に追いつかれると、なお2死三塁で今度はバッテリー間のサインミス(記録は捕逸)。1ボールから阿部のチェンジアップの要求に対し「目はいいんだけど…」と直球を投じてしまった。阿部のミットからはじかれたボールが転がる間に逆転を許す。それでも5回のピンチを踏ん張って、主導権を手渡さなかった。

 6回を5安打3失点。85球で降板するなどまだ本調子ではない。力強い球を求めて4月30日の中日戦(ナゴヤドーム)から投球フォームを微調整。「ボールに力が伝わるように」と投げ終えた後に体全体を三塁側に投げ出すようなフォロースルーを取ることで、体重を球に乗せている。

 歴代単独1位の交流戦通算23勝目。「どうでもいいですよ。そんなことは」。それよりも自身が先発した5月28日のソフトバンク戦(東京ドーム)から続いたチームの連敗を止めたことを喜んだ。先発投手に白星がつくのも、17日の西武戦(同)以来となった。

 「ミスター・メイ」との異名を取った得意の5月は0勝3敗で終わったが、6月初登板で勝利。「本当に良かった」と、4月30日以来の4勝目をかみしめた。

 ≪唯一9年連続白星≫杉内(巨)が今季4勝目。交流戦では通算23勝目となり、和田(ソ=現オリオールズ)を抜いて単独最多勝になった。交流戦元年の05年から今季まで毎年白星を続けているのは杉内だけだ。この日の勝利でチームの連敗は5でストップ。巨人の4連敗以上は、今季3度目だったが、杉内は4月30日の中日戦でも4連敗を止めており、2度目になった。

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2013年6月4日のニュース