西岡「凱旋試合」で2安打2四球!ツヨシコールに一礼

[ 2013年5月23日 06:00 ]

<ロ・神>初回無死、打席に入る前にライトスタンドに向かって一礼する西岡

交流戦 阪神6―6ロッテ

(5月22日 QVC)
 阪神・西岡が古巣相手の「凱旋試合」で2安打2四球、4出塁を果たした。張りが残る左足は万全とは言い難いが“第二の故郷”が見えない力を与えてくれた。プロ入りから8年間所属し、2度の日本一。思い出深い場所で、存分に暴れ回った。

 第1打席に入る前、ロッテファンの「ツヨシコール」に胸を熱くした。ヘルメットを取り右翼席へ深々と一礼。感謝の意を示した直後には、もっと痛烈な“あいさつ”を返した。5球目、大阪桐蔭の後輩にあたる捕手・江村がサインを出したカーブに反応。見逃せばワンバウンドしそうな「悪球」をミートし、左前へ落とした。この幕張では、10年の中日との日本シリーズ第5戦で第3打席に左前打を放って以来、930日ぶりに「H」ランプを点灯させた。

 「ヒットになって良かった。でも、5点差を追いついてくるのが首位のチーム。負けなかったのをプラスに考えたい」

 02年、プロ入りを目指す大阪桐蔭3年の西岡にとって、ロッテは意中の球団ではなかった。当時担当スカウトだった松本尚樹現編成統括(42)は、その素材にほれ込み、振り向いてもらうため毎日のように同校グラウンドへ通った。「内野ゴロが飛んだときの二塁から一塁後方へのカバーがすごい。球がそれても西岡がすぐ後ろにいる。勝負への意識を感じましたね」。ユニホームと背広。身にまとうものこそ違えど、時を経て、今は敵として“戦う”2人。それでも松本氏に「ずっと気になる」と言わしめる。

 ファンへ、そして今も見守る“恩師”に成長を見せた夜。西岡は「敵地でああいう展開なら、普通は逆転される。負けなかったのが強さ。悔しがる必要はない」と前を向いた。

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2013年5月23日のニュース