残る後味の悪さ…マートン「ケガをさせようと思ったわけじゃない」

[ 2013年5月13日 08:33 ]

<ヤ・神>4回1死一、三塁、マートンと激しくぶつかるヤクルトの捕手・田中雅

セ・リーグ 阪神4-2ヤクルト

(5月12日 松山)
 阪神の5年ぶりの6連勝に、マートンの勝負強さありだ。見せ場は1点を追う8回無死。鳥谷が二盗を決めた直後の8球目、131キロの変化球を右前に運んだ。貴重な同点打。これに1死から、新井が決勝2ランで続いた。流れを引き寄せる大きな、大きな一打だった。

 この日は感謝の思いを伝えたいマザーズデー。両親思いの助っ人も、試合前には「ハハノヒ。奥さんに電話して、それぞれのお母さんにギフトカードを送ったんだ」と笑顔で活躍を誓っていた。しかし、試合後の表情は一転、厳しいまま。それは理由があった。

 「背中にボールがきたことは向こう(ヤクルト側)に聞いてほしい。審判がなぜ警告を出さなかったか…」

 6回1死。八木が投じた初球が助っ人の背中を通った。驚き、怒りの表情で坂井球審と捕手の中村に何か言っているように見えた。2球目は内角を突かれた。続く3球目を中前に運び、珍しく右拳でガッツポーズした。まるで相手ベンチに見せつけているようにも映った。

 発端は4回だ。「自分としては、なんとか点を取ろうという気持ちだった。決してケガをさせようと思ったわけじゃない」。三塁走者として藤井彰の中飛で本塁を狙った。上体から勢いよく突っ込んだことで捕手・田中雅と激突。ヤクルト首脳陣がベンチを出て、抗議する事態となった。

 「初めてああいう形で相手に当たった。去年、相手が本塁上にいて、スライディングして膝を痛めたことがあったんだ…。彼が大丈夫なことを願うだけだよ」。あくまで勝負に徹したプレーだったが、試合後は負傷交代した田中雅を心配した。歓喜に沸いた松山の地で、後味の悪さが残ってしまった。

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2013年5月13日のニュース