ド派手に今季初G倒!中畑DeNA 7点差逆転「力でねじ伏せた」

[ 2013年5月11日 06:00 ]

<D・巨>逆転サヨナラ3ランを放った多村(左)をDeNA・中畑監督が抱きしめる

セ・リーグ DeNA12-10巨人

(5月10日 横浜)
 長嶋さん、やってみました!DeNAは10日、巨人に劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めた。9―10の9回1死一、二塁で、途中出場の多村仁志外野手(36)がこの試合2本目となる3号3ランを右翼席に叩き込んだ。巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(77)が中畑清監督(59)の激励に駆けつける中、5本塁打を含む18安打で7点差の大逆転。今季6戦目での同カード初勝利で、再び勝率を5割に戻した。最高のムードで11日からの新潟2連戦に向かう。

 ベンチから声の限り、叫んだ。「ぶち込め!」「ぶち込んでやれ!」。1点を追う9回1死一、二塁。中畑監督が打席の多村に送った念は劇的な結果を生んだ。右翼席へ飛び込む逆転サヨナラ3ラン。勝った。12―10。壮絶な打撃戦を制し、今季初めて巨人に勝った。

 「よく諦めないで結果を出した。これまで力でねじ伏せられてばかりだったジャイアンツを逆に力でねじ伏せたんだからね。みんな自信になるぞ。最高にうれしい」

 いきなり5点を先制されても、7点差をつけられても切れなかった。納得いかない判定にも…。9回先頭、代打・金城の打球。名幸一塁塁審がファウルと判定しながら巨人側の抗議でフェアに覆った。猛抗議したが、少しでも体に触れたら「暴力行為」で退場になる。今季すでに1度退場。「次やったら出場停止」の警告を受けていた。

 冷静に引き下がった直後、高城と代打・後藤が連打でつないだ。7回に代打で左越え2号2ランを放ち、そのまま左翼守備に就いて8回には右前打を放った多村に打順が回ってきた。

 「みんなでつないでくれて、ファンも最後まで応援してくれている。自分のいいスイングをしようとだけ考えて…。打った瞬間、いい入り(手応え)がありました」

 プロ19年目が人生初というサヨナラ弾。4月22日に2軍落ちし、この日1軍復帰したばかりだった。2軍落ちの理由は「左太腿の張り」となっていたが、実は軽症。トレーナーから首脳陣への伝達の途中で「重症」にすり替わってしまった。最短の10日間ですぐ復帰できる状態だったが、松本や井手が活躍。復帰は遅れたが「外野陣はみんな頑張ってるんでね。これがまたみんなの刺激になれば…」とは泣かせる。

 途中出場ながら3安打5打点のベテランとしっかり抱き合った中畑監督。試合前、VIPルームに巨人・長嶋茂雄終身名誉監督を訪れた。今季本拠地開幕戦の4月2日が雨で流れ、仕切り直しの観戦。「おめでとうございます。感動させていただきました」と国民栄誉賞を祝福すると「きょう、ひとつやってみろ」と声を掛けられた。

 「オヤジ(長嶋氏)はこういう野球が大好きだもんね。きょうは脇役は一人もいない。みんなが主役になった」

 恩師の前で勝率5割復帰。11日から新潟へ場所を移して巨人とあと2試合戦う。「つらいなあ。もう少し横浜で余韻に浸りたいよ」。越後の国でも勝てばいい。

 ≪ハーパー以来≫DeNAは9回に多村が逆転サヨナラ3ラン。多村は7回に代打本塁打を放っており、1試合で代打とサヨナラの2本塁打は、97年10月9日に藤井(オ)がダイエー戦で記録して以来プロ野球5人目となる。またDeNAは3―10と7点差からの逆転勝ち。チームで7点差以上をひっくり返しての勝利は、01年8月11日広島戦で2―10→11―10と8点差を逆転して以来12年ぶり。巨人戦では、98年7月15日に7点差、99年4月9日に8点差をひっくり返して以来3度目になった。

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