乱闘寸前!闘将・星野監督 嵐呼ぶ6連勝「振っとるやないか!」

[ 2013年5月11日 06:00 ]

<ロ・楽>7回1死一塁、今江の死球判定をめぐり抗議に飛び出した楽天・星野監督(右)だったが、清水三塁コーチと仁村コーチの間に言い争いが起こる

パ・リーグ 楽天5-3ロッテ

(5月10日 QVC)
 絶体絶命の場面から打線がつながった。2―3で迎えた9回。楽天は2死から嶋、鉄平が連打で出ると、松井は四球を選ぶ。ここで打席が回ってきたのは2番・藤田だ。「2死からつないでくれて、最後まで諦めない感じが出ていた」。ロッテの守護神・益田の外角直球を叩いた打球は、中堅の頭上を越える。満塁の走者が一掃。背番号6は二塁上で喜びを爆発させた。

 「ロッテも連勝していたけど、うちも(連勝を)止めたくないという気持ちも強かった」。前日の日本ハム戦(札幌ドーム)に続く2試合連続の決勝打。前夜首位に立ったロッテの連勝を8で止め、楽天の連勝は昨年5月以来の6に伸びた。

 闘将も熱かった。試合後、「そんなことはどうだっていいんや!」と報道陣にすごんだのは、1点を追う7回に起きた乱闘寸前の騒動。1死一塁で1ボール2ストライクから則本が投じた内角球が、バットを振りにいった今江の左腕に当たった。スイングにも見えるプレーだったが、橋本球審の判定は「死球」。星野監督は顔を真っ赤にして三塁ベンチを飛び出し「振っとるやないか!」と詰め寄った。さらに仁村チーフコーチとロッテの清水、佐藤コーチらが激しく口論。選手、コーチが入り乱れ、一触即発の雰囲気にまで発展した。

 星野監督にとって橋本球審は4月19日の同戦(QVCマリン)でストライク、ボールの判定をめぐっての暴言で、阪神監督時代の02年以来、監督として11年ぶり6度目の退場を宣告されて「おまえが退場しろ!」と言い返した相手。判定が覆ることはなかったが、闘将の執念は9回の逆転劇につながった。

 この日は早朝に札幌を出発して千葉に移動する強行軍だったが、チーム一丸となって底力を見せた。11日も勝てば球団記録に並ぶ7連勝となる。「藤田が打つ予感はあった。低めの落ちる球に手を出さなかったから」と星野監督。首位とは2・5ゲーム差。勢いはロッテ、西武より上だ。

 ▼ロッテ・清水外野守備走塁コーチ(7回の騒動の際に、楽天側から打者への球種伝達を行ったとの抗議を受け)試合中、楽天ベンチから何度も「動くな」と言われていた。人間だから動くこともあるし、ルールに反したことはやっていない。

 ▼橋本球審 星野監督は「スイングだ」と主張していたが、投球が今江選手に当たった後にバットが前に出ただけなのでスイングではない。その後、このプレーとは関係ない件でお互いのコーチが熱くなり、暴言を言い合っていた。監督は冷静で、選手やコーチを落ち着かせようとしていた。

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