引退も考えた大塚 転機は全盲セーラーのハーフマラソン伴走

[ 2013年5月10日 11:00 ]

第1回WBCで守護神として日本を優勝に導いた大塚

 右肘の故障で07年7月1日を最後にマウンドから遠ざかっている元レンジャーズの大塚晶則投手(41)。昨年10月には古巣のパドレスから非公式で国際スカウトやマイナーの投手コーチ就任の打診もあった。

 現役引退に気持ちが動いていた大塚だが、大きな転機が訪れる。来月、ヨットでの太平洋横断に挑戦する全盲セーラーの岩本光弘さん(46)が今年3月10日、サンディエゴでのハーフマラソンに出場。大塚は関係者の紹介で伴走役を務めた。

 「レースまでの1カ月間、週2日は一緒に走った」。全盲セーラーが太平洋横断に成功すれば世界初。大きな夢に挑む岩本さんと汗を流すことで、再びケガと立ち向かう勇気がわき上がった。

 「マラソンが終わったら、どれだけ痛くても思い切り投げてみようと決心した。これでダメなら仕方ない。そうしたら、投げるたびに驚くほど状態が上がっていった」。長いリハビリの間、動作解析の専門家とも会い、投球フォームを研究。肩、肘に負担がかからないフォームを見つけた。41歳は不屈の精神で、奇跡を起こそうとしている。

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2013年5月10日のニュース